其の参 ページ3
「どうせ、わたくしの
上っ面しか見ていない、
プレイボーイ達でしょ。
容姿だけで相手の気持ちも知らないで
結婚しようとするなんて。
こーゆーのに限って、捕まえたとたん、
浮気すんのよ。」
何気に辛らつで醒めている和也姫に、
「なあに？なんか、切実なんだけど、
過去にイケメンに浮気された？」
静御前がにやにやしてます。
「そうじゃなくて、、、」
(そりゃー、父王が決めた婚約者は
イケメンだけど、、、)
まさか、子供っぽい嫉妬が原因で、
喧嘩した勢いで地球にタイムワープ
してきたともいえず、
和也姫はため息をつきました。
「お養母様、公達方にお伝えください。
いくら、高貴な方々であっても、深い志を
知らないままに結婚することはできません。
ほんの ちょっとしたことです。
これらの、私が言う物を持って来ることが
お出来になったお方に
お仕えいたしましょう。」
と言い、リストをつくりました。
夜になると例の五人が集まって、或る者は
笛を吹き、或る者は和歌を詠い、或る者は
唱歌し、或る者は口笛を吹き、
扇を鳴らしたりしていました。
まことに近所迷惑です。
静御前は公達を集めて、和也姫の
要求を伝えました。
その贈り物リストとは、
藤原不比等には「仏の御石の鉢」、
多治比嶋には「蓬莱の玉の枝」、
右大臣阿倍御主人には「火鼠の裘」、
大納言大伴御行には「龍の首の珠」、
中納言石上麻呂には「燕の産んだ子安貝」
を持って来させるというものでした。
どれも話にしか聞かない珍しい宝ばかりで、
手に入れるのは困難を極めます。
不比等は山寺にあった只の鉢を持って帰り、
あっさり嘘がばれても、鉢を捨てて、
こりずに、また言い寄ったことから、
面目ないことを『はぢを捨てる―恥を捨てる』
と以後、言われるようになりました。
阿倍は唐の商人から火鼠の皮衣を高額で
購入しました。この衣は本来燃えぬはずで
ありましたが、和也姫が焼いてみると、
あっさり燃えてしまったので、贋作と分かり、
阿倍に因んでやり遂げられないことを
「あへなし」(敢えなく)と後世の人々は
言うようになりました。
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つむぎ(プロフ) - シロさん» シロさん、コメ、あーざーす。あわてて、他ブラウザー立てて、更新できました。開けてびっくりのヒット数、なにごとじゃ。こんなめちゃくちゃなお話でも、楽しんでくださって、光栄です。 (2015年8月29日 1時) (
レス) id: c6db647c42 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - つむぎさん！このシリーズも大好きです。かづや姫、最高です(^^)静御前のレア物のチョイスにもニヤニヤしてしまいました。続きをいい子で待っています。 (2015年8月29日 0時) (レス) id: 0897474c5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つむぎ
作成日時：2015年8月28日 0時
