イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第9巻 (ページ5)

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（３８３）一時撤退ページ5

ベンチに運ばれるのを見て、聖羅達も歩み寄った。

円堂「染岡、お前……」

染岡「何だよ、みんな大げさなんだよ。……っ」

円堂「無理するなよ！」

立ち上がろうとする染岡が再びベンチに腰掛けてしまう。

染岡「無理なんかしてねぇよ。……、な？大丈夫だろ？」

瑩「あなた馬鹿なんですか」

染岡「えっ？」

瑩が虚勢を張る染岡の肩を押して座らせ、故障した利き足を診る。

瑩「……負傷して1日近くになりますか。捻挫して2〜3日は急性期なのですぐにでも冷やすのが普通ですが、これは一度もケアしませんでしたね？」

染岡「本当に、大丈夫だって……！」

瑩「強がりは何の得にもなりませんよ」

鬼道「イプシロン戦は1週間後なんです。それまでに、染岡は……？」

瑩「1週間程度で治るものではありません。断言します」

鬼道「…………」

染岡「治す！こんな怪我、1週間で治してみせる！治んなくても、次のイプシロン戦、前半だけでもやらせてくれよ！
せっかく完璧になったワイバーンブリザードはどうなるんだよ！なぁ、吹雪？」

吹雪「ごめんね。気付けなかったボクのせいだ……」

風丸「…………」

瞳子「染岡君」

瞳子がみんなに歩み寄りながら、口を開く。

瞳子「あなたには、チームを外れてもらいます」

円堂「えっ……監督？そんな、染岡は────」

風丸「本人がやりたいと言ってるんです！やらせてやってもいいじゃありませんか！
今の俺達に必要なのは、自分の体がどうなろうが勝つという気迫です！」

円堂「風丸……」

風丸「円堂、お前だってわかるだろ？染岡は、最初から雷門サッカー部を支えてきた、仲間なんだ！」

瞳子「仲間だからこそよ。彼はきっと、チームの為に無理をする。そうなるとみんなが彼を気遣って、満足に戦う事が出来なくなるわ」

風丸「でも……！」

途端、染岡がベンチの上に拳を打ち付けた。

染岡「……もういい、風丸。悔しいけど、監督の言う通りだ。仕方ねぇよ……。
吹雪！雷門のストライカー、任せたぜ！」

吹雪「……あ、あぁ……」

染岡「何だよみんな！そんな顔すんな！一時撤退ってやつだ！……また、すぐに戻ってくる！」

円堂「……、必ず、戻ってこいよ……！」

染岡の言う一時撤退に、木暮が見せたディフェンス技・旋風陣の習得により、守りの戦力が増えた。

……なぜか聖羅の元へ来るなり「オレすごい？すごい！？」と目を輝かせながら聞いて来たが。