イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第9巻 (ページ39)

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その後は戸田の提案で合同練習をする事になり、皆より一層気合が入っていた。

葉月「聖羅ちゃん。これ、あげるよ」

練習前に葉月が声をかけるなり、聖羅にピンク色の何かを手渡す。

見る限り、太めの平ゴム素材の帯のようなものだった。

聖羅「なにこれ」

葉月「BOOBUDDYの胸部サポーターだよ。いつも見てて動きにくそうだなあって思って。大阪にいた時に買ったんだ」

聖羅「へー、そんなのあんの」

葉月「キミのコトだから、一応Mサイズを買ってみたよ。長めの方が、何かと調節しやすいデショ？」

聖羅「……なるほど。あたしが肌の感覚無いのわかってて渡したってワケ」

葉月「もちろん。ただ渡すだけじゃ面白くないからねえ」

聖羅の言う、肌の感覚が鈍い。もとい、物理的に触れた感触が皆無に等しい肌では、力加減ができず死角で何かをするという行為が出来ない事を指す。

葉月はそれを理解した上で、敢えてそれを聖羅に渡したのだ。

葉月「付けるのが難しいのなら、俺がしてあげるよ。……ホラ、ユニフォームの裾、たくし上げて？」

聖羅「ん」

背後に立つ葉月に催促されて、聖羅が何の疑いもなく胸の上まで裾を持ち上げようとした途端。

チトセ「……？！なっ、何をしているんだ！？」

マネージャーの手伝いをしていた柊がふと聖羅の行動を見るなりギョッとする。

動揺で運んでいた道具を雑な物音を立てながらベンチに置き、ヘソが見えるか見えないかのところで阻止する。

聖羅「チトセ」

葉月「何って、聖羅ちゃんにサポーターを付けてあげようとしただけだよ」

チトセ「しらばっくれるな。それに託(かこ)つけてショウの体に触ろうとしている事くらい、俺にはわかるんだぞ」

葉月「瑩さんがマネージャー達と買い出しに行ってるんだから、他に付け方がわかるヒトがやった方がイイじゃない？」

チトセ「話の論点をずらすな。だいたい、ショウもショウだ。何、人前で無防備に脱ごうとしてるんだ」

聖羅「裾たくし上げるだけだし。つーか胸部にサラシ巻いてるし」

チトセ「そんなの、下着姿になるのとほぼ変わらん。いいから、そういうのはマネージャー達が戻ってきてからにしろ！」