イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第9巻 (ページ36)

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（４１４）平気か、そうじゃないかページ36

瑩「そうですか」

円堂「でも、校長室に入らなくてよかったかもしれません」

瑩「何故です？」

円堂「空翼って動物好きじゃないですか。壁にイノシシの頭の剥製があって……あ、じいちゃんと校長先生が昔、仕留めたらしいんですけど」

瑩「……、その行動については礼を言いましょうか」

円堂「礼、ですか？」

瑩「動物、魚類相手に限りますが、セイラさんは過度に傷付けられるのを見ると気を失いますので。

人間で例えるのならば、剥製は言わば生首を飾る事。魚や動物の肉を捌くようだと死んでもなお切り刻む死体をいじっている事と同義だからです。

まぁ、言うなれば動物や魚が人間と立場を入れ替えるとそういう事(・・・・・)になるから、ですね」

円堂「…………」

瑩「……中学生には過激な内容でしたね。されているのが人間であればあの人は平気なのですが」

動物が人の手で死ぬのは嫌って事だよな？

けど、逆に人間が無残な目に遭うのは平気だなんて……。

瑩「……、勘違いしないでほしいのですが、人間なら誰が死んでも良いという意味ではありませんから」

円堂「そ、そうですよね！空翼がそんな事思うわけ……」

瑩「あの人は性根の腐ったクズにしか制裁を加えません。それも、ちゃんと嗅ぎ分けてからやるので間違ったりしませんので。二度と同じ間違いを起こさないように、それぞれの人に見合った事をしているのです」

円堂「…………」

何やら難しい顔で俯く円堂に、瑩が気付く。

瑩「その様子だと、セイラさんの6年前の話はご存じ無いのですね」

円堂「えっと、兄のシンさんが事故に遭った話、で合ってますか？」

瑩「その後の話ですよ」

円堂「……いえ。瑩さんは、何か知ってるんですか？」

瑩「私は話を聞かされただけですので、私の口からは何とも」

円堂「……そう、ですか」

瑩「……気になるのであれば、本人に聞いてください。内容が長いのであまりおすすめはしませんが」

円堂「…………」

ちょっと怖いと思っていた瑩と話をした事で、円堂は少しだけ瑩に対する警戒心が解けた。

……空翼の、覚えている方の過去。

リトさんと出会ったのも、シンさんの過去より後なのだろう。覚えているという事は、そうだ。

……ん？だとすれば、彼女の年齢は一体いくつなのだろう。