イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第9巻 (ページ15)

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（３９３）殺意と衝動ページ15

「横槍とか、横取り……？」

カヤ「(……ん？なんか雲行きが……)」

途端、聖羅が一之瀬から引き剥がされた。

色黒女が大きく息を吸う。

「何が婚約者や！愛はいつの時代も略奪愛って相場が決まっとんねん！ポッと出のあんたに相手が務まるはずないやろ！」

瑩「……っ！」

瑩の髪が、ゾワッと波打った。

素早く踏み出した一歩は大きく、一瞬で顔と目に閃光が走る。

聖羅「瑩(ミガキ)」

瑩「……！セイラ、さん……？」

色黒女に引き剥がされた勢いで尻もちをついてしまった聖羅が、片腕を上げて動きを制する。

瑩「あの焦げパン、あなたを、突き飛ばしました……。死んで、当然です」

「失礼なやっちゃな！誰が焦げパンや！」

聖羅「勝手に殺すな。そーいうサガなのは知ってっけど、ここじゃアンタが捕まる」

瑩「しかし……」

聖羅「別にケガしてねーし。こんなんでどうにかなるほどヤワじゃねーから」

瑩「……はい…………」

一瞬でも狂犬に見えたそれは、叱られた子犬のようにしおらしく変化する。

「とにかく、エイリア学園か何か知らんけど、そいつらはアンタらだけで倒してな〜。
ダーリンはウチんとこで幸せな家庭築くんやってん、な〜？」

秋「ダーリン！？」

「はいはい〜、お好み焼き食わへんのやったら出てってや〜。商売の邪魔やから〜」

円堂「え、わっ……！」

円堂に続いて聖羅が押し出されて、円堂が反射的に背中を受け止める。

「それとあんた！ウチはあんたがダーリンの婚約者とか絶対認めへんからな！」

びしっと指を差されライバル視されるが、聖羅は「はあ」と興味無さげに生返事する。

円堂「お、おい、ちょっと待てよ！」

「ほな、さいなら〜」

話を聞かずに一之瀬を除く全員外に追い出され、閉め出された挙句に「閉店」の掛け札が出された。

店の中ではバタバタと一之瀬があの色黒女から逃げ回っているのだろう、時折物が倒れる音がする。

「ダーリン、そんな逃げんでもえぇやん〜！」

一之瀬「だからダーリンじゃないって！」

「またまたもう、照れてもうてから〜！」

一之瀬「うわ〜ん、円堂〜！」

円堂「一之瀬……」

壁山「一之瀬センパイ、このままお好み焼き屋になっちゃうんスか〜？」

円堂「…………、そんな事、ある訳ないだろ！何が結婚だ」

一瞬だけでも、円堂はお好み焼き屋で働く一之瀬を想像したようだ。

気を取り直して再びガラス戸を開けようと手を伸ばした途端。