イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第9巻 (ページ1)

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（３７９）突発的行動ページ1

リト「……あれ？怒ったか？」

聖羅「……や、なんか、葉巻の味を教えてくれた人間が昔いたよーな、いなかったよーな」

リト「おまっ……マジで実年齢いくつなんだよ……。うーん、その青いブックマッチもかなりの年代物だよな。
製造年号は……1930年のアメリカ産か」

聖羅「そう。なんか知らない間に持ってて、それもいつからか覚えてない」

リト「気を付けろよー。ブックマッチって古いと着火剤が劣化してる分、砕けやすいからなぁ」

……本当に、いつからなんだ。

聖羅はそうやって右耳の、ギターピックが下がったイヤリングに触れて自分に問いかけた。

リト「あ〜ヤダヤダ、湿っぽいの！いーかげんセイラの記憶戻れ〜！」

聖羅「……、なぁにそれ。呪文か」

背中を斜面に付けて、リトが両手を空に伸ばす。

……少しだけ、聖羅の表情に柔らかさが垣間見える。

リト「だぁって、スッキリしねぇから。セイラはいいけど、俺らは別にサッカーできる訳じゃないし、一緒に大勢連れてってもらう訳にもいかないからな。本当は行きたいけどっ」

聖羅「そーな。アンタらがいると、余計うるさくなりそー」

リト「え〜っ、何だよそれ〜」

聖羅のキツくない声音に、リトは笑ってそう返す。

ひとつ、空気と共に体外気管へ処方薬を吸った。

塔子「なんか、聖羅とあの人の関係っていいなぁ」

夏未「あら、どうして？」

塔子「だって、親友だって言ってただろ？あぁいう、冗談を言い合える仲って、何かうらやましいじゃん。

異性を超えた信頼感って言うのかな？
雰囲気が、恋愛のような甘い感じに見えない、ただの友達って感じ」

リト「あ、そうだ。

酒やタバコは20歳になってからな〜」

聖羅「誰に言ってんの」

しばらくすると、背後の河川敷沿いの道から駆け寄ってくる音がした。

振り返って見上げた時に最初に飛び込んできたのは、黒い色付きレンズのスポーツゴーグル。

左の首元に、リトと同じオパールグリーンの色をした刺青。

黒のベストと、ネクタイには銀色のピン。

色味に合わせた濃い灰色のワイシャツとチェック模様の細身のノータックパンツ。

黒く磨かれたローファーは、見栄えしてビジネススニーカーのようにも見える。

「……！セイラ、さん……っ」

聖羅「ん、……アンタか。なんでココ、に────」

……言葉の途中で、その人物は否応無しに聖羅へ突然飛び付いた。