ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ44)

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ｻｲﾄﾞｽﾄｰﾘｰ ⑨ ページ44

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　｢もう、今日俺ここ泊まるわー｣

　いや、濱家それはあかんよ。

　すると隣に座っていたAが立ち上がって言った。

　｢じゃあ、私帰るね～｣

　言葉より先に行動に出てしまう俺は手を引っ張って座らせようとしてしまう。

　｢帰るん？もうちょい話そうや｣

　あ、困った顔しとる。やっぱり俺かまってちゃんなんかな。

　「終電ないし泊まっときー」

　「いや、終電あるから帰るねん」

　濱家はもう自分の家のような佇まいやなあ。酔うてるし。終電はしょうがないわ。結構距離あるのにわざわざ来てくれてありがとうな。

　「A帰るなら俺も帰るわ」

　そう言って川西が立ち上がった。

　やるなあこの男。この前話してくれたときは驚いたで。お前がAに惚れてること。しかも長いねん片思いの期間。全然気づかんかった。

　「じゃあ川西。うちのAお願いします」

　「しゃーないなあ。行くで」

　帰る方向一緒やからって理由つけるのもやめにしよーや。好きやからでええやん。まだこじらせる気か。

あーもう、少女漫画見てる気持ちになってまう。

　「ゆずるくん、おじゃましましたー。またなー」

　笑顔で手を振って帰ったA。

　なんも知らんお前は気楽でええな。ちっとはあいつの身にもなってみ。はやくくっつかへんかな。

　どっちにも幸せになって欲しい。

　応援してるで川西。

……さて俺は横になって寝ようとしているこいつをどうやって家に帰らせようかな。

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