ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ43)

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ｻｲﾄﾞｽﾄｰﾘｰ ⑧ ページ43

・壊れた街灯

・河合side

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　テレビは誰が見るわけでもなくつけっぱなし。

　綺麗に片付けたテーブルはゴミやらなんやらで埋まっている。誰がどの割り箸を使ったのかもわからない状態だ。

　なんやかんやみんな集合して騒がしい。そのせいかまだ冬だというのにこの部屋は暑い。

　今年は暖冬だと言われていたが、もう扇風機をつけることになるとは。

　俺の相棒とも言える扇風機を出そうとしたら変な目で見られたのでやめた。

　｢ゆずるくん……病気？｣

　Aが怪訝そうな顔で見てくる。

　寒がりなお前には意味わからんよな。来て玄関開けた瞬間びびったもん。顔半分モコモコで埋まってたで。

　｢そんなわけあるか。まだまだ健康体や｣

　そう言いながらいつもの半袖短パンスタイルになった。なったらなったでまたいじりだすA。

　明日も仕事だというのにここに集まったあたおか……同期達。

　まあ、言い出しっぺは俺なんやけど。ダメ元でLINEしたら来てくれた。1人で飲むのもええけど、話し相手欲しかってん。

　話の内容はいつも大体決まっている。仕事のこと、漫才のこと、後輩のこと。

　濱家が結婚したときはそれぞれの恋愛事情喋ったなあ。普段喋りたがらない川西もそのときは結構乗り気やって。Aは相変わらずダメ男に引っかかっててアホやなあと思ったわ。

　お酒の缶を次から次へと空ける。濱家は赤くなってもうてるし、川西はカラスみたいに笑っとる。

　｢これで2日酔いとかになったらゆずるくんのせいに

するわ｣

　｢せやせや、そーしよ｣

　｢お客さんに“実はゆず兄かまってちゃんなんですよ

ー”ってな｣

　別に俺のせいにしてもええけど、なんやねん川西。

　｢いい歳したおっさんがかまってちゃんってきしょ

いやろ｣

　学生時代みたいに冗談を言い合える仲ってええな。芸人として腐ってなくて東京行っても相変わらずで。

　最高やん。

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