ｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰｼｭｶﾞｰ (ページ41)

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ｻｲﾄﾞｽﾄｰﾘｰ ⑥ ページ41

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　彼女はその存在に気がついて前に僕がそうしたようにしゃがんで手を伸ばした。

　また警戒するかなと思ったが人に慣れたみたいで動じずに撫でられている。彼女も動物好きなのか慣れた手つきだった。

　「ここ通るとな、にゃーにゃー泣きはるからついつ

い餌やってもうた」

　2人……1人と1匹を見ているとどこかしら似ている物を感じた。

最近見つけたんよこの子。

そうなんですか。

飼いたいなあ。

癒されますもんね。

話をしていて気になったことを聞いてみることにした。

　「そういえばどうして来たん？」

　彼女は忘れていたようでハッとした表情でポケットから何か取り出した。

　「これ、渡したかったんです」

　それは前僕が無くしたと思っていたzippoだった。Aと煙草を吸っていたときに忘れていったところずっと持っていてくれたのだ。

　実はもう新しいのを買ってしまったのだけれど。

　「あー。それどっかいったなあて思てたねん」

　「遅なってすいません！」

　「別にええよー。それAにあげるわ」

　親切で気遣いができる後輩は可愛がりたくなるのだ。僕はもう同じの買ってもうた。とニコッとしながら新しいzippoを取り出す。

　「ええー！いいんですか？ほんまにすいませ

ん！」

　彼女は驚きながらも顔がほころんでいて自然と僕も笑顔になる。

　お揃いやなと言うとみんなに自慢すると言う。

　その時、彼女とこの猫がどこかしら似ている意味がわかった。

　人懐っこいところ。

　世話を焼きたくなるところ。

　人を笑顔にしてくれるところ。

　今日、仕事終わったら一緒に飲みに行かへん？

　もちろん僕の奢りで。

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