チャラい奴なんてお断り！ KEI

　二十六話 ページ26

私は見てしまった






伊野尾がたばこを持っている事を…







　非常階段の所にダルそうに座り、慣れているようにタバコを持つ手








　あれは完全にタバコを吸っていると言える！！









　皆が真面目で優しいと絶賛する裏では、タバコを吸っているなんて！！









これは皆に言うべきか、黙っているべきか、 そう悩んでいると伊野尾が教室に入って来た








　恐る恐る私の前に座る








「伊野尾、私はお前の秘密を知ってしまった…(小声)」







　……






無視かよ、







「ばらしちゃおかなぁ〜」



『やめろ！！』








この伊野尾の必死な顔を皆さんにも見せてあげたいぐらい








『この事はあとでちゃんと話すから、変にばらすなよ…』







　おもしろい、こんな伊野尾は見たことがない







そんな事を思ってる私は悪いのかな？ まぁいいや









　私は、休み時間、掃除の時間、と伊野尾に向けてタバコを吸うジェスチャーをした






その度に嫌な顔をする伊野尾がおもしろくて、おもしろくて









　≪さようなら〜≫








皆がそそくさに去っていく中、私と伊野尾の二人だけが残った








「真実を話せ！！」





『ここで話すのはなんだし、一緒に帰ろう。




　その時、話してやるから……』









先に出て行ってしまった伊野尾を追い越す







　今、主導権を握っているのは私だもん

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