十二話 ページ12
[ ―ちゃん、 Aちゃんっ… ]
誰かの私を呼ぶ声に目が覚める
私の目の前には雛花ちゃん
横たわっていたのは… 多分泊まるホテルの布団だろう
伊野尾におぶってもらって…その後どうしたんだっけ?…
あの後からの記憶が無い…
[伊野尾君がね、ここまで運んで来てくれたんだよ、Aちゃんさ、
伊野尾君の背中で爆睡しちゃってて、全然起きないからここまで運んでもらったの]
マジか…
確か、伊野尾の背中が温かくて、心地よくて、ついつい眠くなってしまったんだった…
伊野尾、迷惑だったよね…やっぱり迷惑かけちゃった…
[伊野尾君の事見直してくれた?]
「まぁ、優しいのは分かったよ、雛花ちゃんが惚れたのも分かる気がする
でもなんか、今までの行動を見てると疑っちゃうところもあるんだよねぇ〜
真面目な奴なのか、チャラ男なのか、ハッキリしてほしい!!」
[アハハ、でも伊野尾君の魅力が少しでも分かってくれたなら嬉しいよ]
すると、館内放送が流れた
≪そろそろ夜ご飯の時間です。食堂に集まって下さい≫
・
食堂へ行き席に座ると、まだいただきますの挨拶をしていないのに
白米を掻き込む伊野尾が目に入った
伊野尾の近くに行って、後ろから軽く叩く
「お前はバカか、まだ挨拶してないのに食べてるなんて、本当に学級委員かっ」
『ごめんごめん、我慢できなくて…』
コイツ… おんぶしてもらった時、一瞬でもドキっとしちゃった私、バカだわ
「ハイキングの時、色々ありがとう」
『ううん。困ってる人見たらたすけたくなっちゃうんだよね…
それより、膝の方は大丈夫? 歩けるの?』
「うん。なんとか歩けるぐらいになってる、ありがとね」
私が自分の席に戻ろうと歩き出した時、後ろから余計な一言が降ってきた
『お前、寝顔はあんなに可愛いのに、どうして普通にしてると怖い顔になるんだろうな?』
いい空気で終わろうとしてたのにコイツ…
さらっと独り言感覚で言ってるのかもしれないけど、全部聞こえてるから…
「そんなの決まってるでしょ…お前の前だからだよ!
私はチャラい奴が大っ嫌いなんです!!」
そう、言いきって自分の席に戻った
チャラ男かと思ったら、優しくして、優しいなぁって思ってたら、これだよ
私、振りまわされてる気がする
58人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いのちゃんBEST(プロフ) - 私も買いました!ヤバイですよね♪更新頑張ってください! (2016年7月27日 17時) (レス) id: eacec3ed53 (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんBEST(プロフ) - いのちゃん告白!!!可愛い///更新頑張ってください! (2016年7月26日 22時) (レス) id: eacec3ed53 (このIDを非表示/違反報告)
なっつん(プロフ) - いのちゃんBESTさん» ありがとうございます!いのちゃんこれからどんどんアタックしていきますよ〜 (2016年7月26日 8時) (レス) id: b0ec81c650 (このIDを非表示/違反報告)
いのちゃんBEST(プロフ) - 続き気になります!いのちゃん頑張れ!更新頑張ってくださいね♪ (2016年7月25日 22時) (レス) id: eacec3ed53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なっつん | 作成日時:2016年6月3日 19時