病弱少女と野球少年

第9話 ページ10

「おはよう、綾波さん」









「おはよう！沖君」









沖君はいつも挨拶をしてくれる。









「沖君珍しいね、いつもはもう少し早いのに…」









すると沖君は恥ずかしそうに頬をかきながら









「実は、部活に出てて…」









「そうなの!?沖君部活入ったんだ、何部?」









「野球部だよ」









(!!野球部…沖君野球部に入ったんだ)









「?綾波さん」









沖君に呼ばれて我に返る。ボーッとしていたらしい。









「大丈夫?もしかして具合悪い?」
※病気のことは学年中が知っている。









「あ、ううん!大丈夫だよ!」









沖君に心配をかけてしまった…









「なら良かった」









沖君はほっとしたように胸を撫で下ろした。









「うん、ごめんね。野球部って聞いていいなぁって思ったんだ」









「!もしかして、野球部に入りたい…みたいな?」









確認するみたいに沖君は私に聞いた。
私は頬に熱が集まるのを感じながら、コクッとうなずいた。









「わ、分かってるよ！私みたいのがマネージャーなんてバカらしいって…」









恥ずかしくなって慌てて弁解する。









「バカらしくなんて無いよ！」









「え?」









沖君は勢いよくそう言った。

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野球帽

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水谷文貴

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