検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:36,915 hit

第38話 ページ41

「で、フォークを待ったのはなんで?」





私は密かにごくりと固唾を飲んだ。





「……う、打てると思って……」
「ならいいのよ!」




花井くんのだんだんと尻すぼみになっていく言葉にハッキリとした監督の声が続いた。
ベンチには先程の緊張とは違う驚きが広がっていた。




「田島君のバッティングを見て"打てる"ってイメージを持ったんでしょ?なら、フォークに絞っていいの!だけど今回は打てなかった。どうすれば打てるのか次の打席までにかんがえるんだよ!」
「はい!」




「それからみんなも聞いて!」
「「はい!」」



「田島君は飛び抜けた野球センスを持ってる。でもね、彼の持ってないものがあるの、なんだかわかる?」
「え」




確かに監督さんの言う通り田島君にはずば抜けたセンスがある。フォークをステップして打つなんて常人じゃできないどころか思い付きすらしないかもしれない。それを意図も簡単にやってのけるセンスと運動神経があるのに彼の持ってないものって一体?




「それはね、大きな体よ!」




一瞬ハッと顔をあげた。
まるでジグソーパズルのピースがピタッとはまるように私の疑問にピタッとはまった。





「田島君は体が小さい。あの体格ではどんなにセンスがよくてもホームランは打てないんだよ。ホームラン打てないってことは彼1人では点を取れないってことだよ。」





"one for all,all for one"
1人はみんなのために、みんなは1人のために
野球が好きでこの言葉を知らない人は少ないと思う。
この言葉は本来ピッチャーとその他の選手を表しているのだが、今はなんだか田島君とみんなを表す言葉に思えた。







「田島君はホントに頼もしい4番だけど、彼1人じゃ点は取れない。点を取るにはあなたたちの力がいるの!このこと、よーく覚えといてちょうだい‼」

「「はい‼」」




監督の話の途中で巣山くんは空振り三振。
スリーアウトでチェンジとなる。



守備に向かうみんなの顔が最初よりもっと逞しく見えて私の頬も少し上がった。

第39話→←第37話


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

野球帽

ラッキーキャラ

水谷文貴


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

hina hihoho(プロフ) - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2017年11月26日 10時) (レス) id: 0035085ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 練習試合楽しみです!更新頑張ってください!続き楽しみにしてます♪ (2015年12月28日 10時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
青井蒼空(プロフ) - 空さん» 思い出し笑いですか!そう言っていただけると上手く伝えられている気がします!これからも楽しんでいただけるよう精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします! (2015年9月8日 22時) (レス) id: 0933dbbeba (このIDを非表示/違反報告)
青井蒼空(プロフ) - 萌さん» ありがとうございます!応援していただけると私自身、力が湧いてきます!ぼちぼちの更新で、文章力もないですが、これからもよろしくお願いいたします。 (2015年9月8日 22時) (レス) id: 0933dbbeba (このIDを非表示/違反報告)
- おお振り大好きです! 漫画にそった話だと思い出したりして 思い出し笑いをしちゃったりもしますww 続きが楽しみです!次の更新、待ってます!! (2015年8月8日 17時) (レス) id: 2d228999b2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:青井蒼空 | 作成日時:2015年3月18日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。