第30話 ページ33
「速読って幼児のうちは誰でもできるって知ってる？」
「速読ってアレだろ？こう、本をパラパラーって読んじゃうやつだろ？」
そう言いながら花井君は本をパラパラーとめくる。
「速読は眼球を速く動かすんじゃなくて、ページ全体を一遍に視界=脳に入れることで速度を出してるの。"瞬間丸暗記"といったらイメージしやすいかな。これは、幼児が言葉や文字を丸暗記するのと同じ要領らしくてね」
監督が今は速読について話している。
それがどうして野球に関係あるのかわからない。監督はそのまま続ける。
「この頃の子供は文字に限らず複雑な図形なんかの本を開いてもごく自然にページ全体を一遍に視界に入れて把握・記憶しちゃうんだって！子供にとって瞬間視・周辺視はあたりまえなことなのよ！―――――でも、私達は学校で毎日毎時間文字を一行ずつ目で追うことでわざわざ瞬間視・周辺視の能力を眠らせる訓練をしてきてるの！だから、眠らせた能力をもう一度目覚めさせて野球に活用しようってわけ！やってみる人！」
明るくそう言った監督に即、返事をしたのは田島君だった。
何をするのかいまいちわからなかったけど、面白そうだな、と思った。
洗濯物をたたみながらなんとなーく見ていると信じられない光景を目にした。
「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25!」
一度も止まらずに1〜25までの数字を言っていた。しかも、指を指しながら…。
私と千代は目を見合わせたまま固まってしまった。
田島君すごすぎ…。
それから、田島君が本当にきちんとできていたかを確認して、全員でやることになって、今は部屋中に数を数える声が響いている。
「なんか、スッゴク楽しそうだね！」
満面の笑みで千代が私に言う。
私も笑顔で頷いた。
正直、とてもやってみたい…。
千代もそんな顔をしていた。
「やってみる？」
私たちの顔を見て、監督がそう言った。
｢｢いいんですかぁ！？｣｣
驚いて聞き返すと見事に千代とハモった。
その光景に笑いながら「みんなが一段落ついたらね」と監督が言ってくれた。
「千代、やったね！」
「うん！」
とってもとっても優しい監督のおかげで、私たちも挑戦できることになりました‼
うまくできるかな？
楽しみで残りの洗濯物を猛スピードで終わらせた私たちでした。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
野球帽
ラッキーキャラ
水谷文貴
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hina hihoho(プロフ) - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2017年11月26日 10時) (
レス) id: 0035085ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ - 練習試合楽しみです！更新頑張ってください！続き楽しみにしてます♪ (2015年12月28日 10時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
青井蒼空(プロフ) - 空さん» 思い出し笑いですか！そう言っていただけると上手く伝えられている気がします！これからも楽しんでいただけるよう精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いいたします！ (2015年9月8日 22時) (レス) id: 0933dbbeba (このIDを非表示/違反報告)
青井蒼空(プロフ) - 萌さん» ありがとうございます！応援していただけると私自身、力が湧いてきます！ぼちぼちの更新で、文章力もないですが、これからもよろしくお願いいたします。 (2015年9月8日 22時) (レス) id: 0933dbbeba (このIDを非表示/違反報告)
空 - おお振り大好きです！ 漫画にそった話だと思い出したりして 思い出し笑いをしちゃったりもしますww 続きが楽しみです！次の更新、待ってます！！ (2015年8月8日 17時) (レス) id: 2d228999b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青井蒼空 | 作成日時：2015年3月18日 0時
