9.眠り歌 ページ10
サボside
エース、危ない！
そう思った時視界に飛び込んで来た一人の女。
長い黒髪をなびかせて飛び込んで来た姿は、何故か龍のように見えた。
しかもなんだよその格好。
《グサッ》
エースの代わりに受けた刀が女を斬る。
飛び散る赤い血。
でも、堂々たったままの奴。
エース「・・・何でいるんだ！お前！」
エースの知り合いか。
そいつは俺らのことを見ると下に俯いた。
男達のどんな言葉も無視して、静かな声で男達に問う。
“ 私の弟達にこんな傷を負わせたのは誰か？”
“ 私の弟？
この3人のことか？
あぁ、そうだがそれがどうした嬢ちゃん？ ”
“ ・・・そうか ”
男達はそのまま話を続ける、だが話が途中で切れる。
あいつは、エースと俺が苦戦していたやつを1発で倒しやがった。
“ 話はそれだけか？
汚い手で私の弟達にこんな傷を負わせやがって、万死に値するぞ ”
さっきとは違い、怒りに満ちた低い声。
やばい、本能がそう告げる。
瞬きをした一瞬、その間何が起こったのかわからない。
男達は全員気を失っていた。
『よし・・・エース達大丈夫？』
胸元が赤く染まったまま、聞いてくる。
一言言わせてくれ。
エース.サボ「「お前がな！！」」
そう突っ込みたかったのは俺だけではなかったようだ。
『大丈夫そうね』
そういうとあいつは俺たちの近くに寄って来る。
そして、俺たちにギュッとハグをした。
エース「何しやがるんだ！お前！！！」
ルフィ「ねぇぢゃぁ”ぁぁぁぁぁぁん”、ごわがっだぁぁぁぁぁ！！」
泣き叫ぶルフィ、ドカドカ蹴ったり叩きまくるエース。
それでも離さないこの人。
『無事で・・・良かった』
この人泣いてる？
俺たちの耳元でそう呟いた。
その言葉を聞くなり、エースは動きを止め、ルフィはさらに泣きまくる。
長い時間が経つが離してくれず俺はどうしていいかわからず、じっとしている。
だんだん、暖かくて瞼が重くなって来た。
ルフィを見てみれば、あんなに泣いてたのにいつの間にか眠ってる。
『さっ、帰ろうか』
俺たち3人を抱き上げるとそのまま歩いて行くこいつ。
エースもいつの間にか規則正しい、いびきが聞こえる。
『眠いんだったら寝ていいよ。
おやすみなさい、サボ』
眠り歌を歌うような優しい声で言われ俺は眠りについた。
そういや何でこいつ俺の名前知ってたんだ？
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作者名：オオムラサキ | 作成日時：2018年3月23日 16時
