あかーし！！……って呼ばないでください【赤葦京治】

男って、そういうもんですよね。 ページ3

「……木兎さん！」



木兎「っしやぁぁぁあ！！！」




体育館にボールが当たったとは思えないほどの大きな音が響く。



木兎「ヘイヘイヘーイ！！！！」



最近の木兎さんは調子がいい。




多分、原因は……




『光太郎ー！！かっこいいよー！！！』



木兎「だろぉ〜！！！」




……多分A先輩。



最近白福先輩たちに「もっと木兎を褒めてあげて」と言われたらしく、おかげで調子はどんどん上がる。






当然俺のストレスもどんどん増える。




木兎さんが気持ちよく決める度に、セッターとしては嬉しいが、
俺個人の気持ちとしては最悪だ。




たまには俺にも言ってくれてもいいのに、なんてつまらないことを考えると



『あかーし！！』




「……なんですか」



『ナイストス！！今日も……すごいねっ！！』




「どうも」




小さく頭を下げる。


何がすごいのかはわからないけれど、



俺が考えた時に褒めてくれるのはとても嬉しくて、
意外と単純な俺は直ぐにモチベーションが上がる。





頑張れっ！とグーをしてくるA先輩に直ぐそっぽを向いてしまう俺は




……もしかしたら木兎さん以上に単純なのかもしれない。




いや、


男って、そういうもんですよね。

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