あかーし！！……って呼ばないでください【赤葦京治】

先生、教師じゃなかったら ページ19

あと少しだ！と先生に励まされ、全力で声を出す。


大きく息を吸ってー


「好きですっ！！！！付き合ってくださいっ！！！！！」

「いい声だ！」

先生との練習(もはや修行)が終わったのは部活が終わる約30分前。
叫びすぎて喉痛い。
けほっ、と軽く咳をする。


「合格だ」

「先生……！！」

先生は元々こんなに熱血な人ではないのに、付き合ってくれたのは本当にありがたい。
多分ノロケを聞いてもらえて嬉しかったからそのノリだと思うけれど。


「先生、私部活行ってきますね！」

「おう、頑張ってこいよー」


荷物を纏め、教室を出ようとした時そうそう、と先生に呼び止められた。


「さっき、まさか本田があんなに大きな声を出せるとは知らなかったから驚いたが


本番はあの声量で言うなよ？

アレは木兎のような奴専用の告白方法だからな。元々大人しい本田がやると相手も驚くかもしれんし、明るいとうるさいは違うからな。


本番は想いは込められるだけ込めて、全力でぶつかれ！！」

「……はい」


危ないとこだった。




先生、教師じゃなかったらぶっ飛ばしてたかもしれなかった。


あんなに叫ばしといたのにぃ！！！



そう心の中で叫びながら、赤葦不足を解消する為に私体育館へ走った。


それでも告白のイメージがつけたことに、あかーしに会えることに自然笑みが零れていた。

全力で逃げたい→←掃除用具入れのロッカーor生身の人間の先生

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す