並中生徒会長の日常 3 (ページ8)

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並中生徒会長の異常 8 ページ8

リボーンside

Aに呼ばれたのは、並中では入ってはいけない部屋のひとつ、白い部屋だった。
そこへ足を踏み込むも、なにもなかった。
いつも通りのAがもてなしてくれるぐらいだ。
目の前には紅茶と洋菓子が用意されていた。

「茶葉にこだわりがあったらすまないね。」

「…随分と豪華だな。」

「来客に対してなにも用意しないのは不躾かと思ってね。」

紅茶に口をつけるA。
その姿は様になっていた。
「ところで、」と本題に入る。

「なんでオレを呼んだんだ？」

「今回は少し忙しくてね。沢田の護衛には行けないということを伝えたかったんだ。」

Aは「もちろん、生徒会長の仕事はするよ。」と付け足した。

Aは『今回』と言った。
ということは『前回』や、『次回』というように、なにかに区切っているものがあるということだ。

「そうだ、新しい炎が見えたんだが…」とAが話す。

「これは…『白い炎』か……」

「なにか文献であったら教えておくれ。特徴はまだボクにも把握できていない。」

「だからオレを呼んだのか。」

「恭弥は直ぐに怒るからね。」とため息をつくA。
アイツから見て、オレはどう映っているのか。

「並盛で活動できそうなのが朝ぐらいでね。今回は…下準備に手がかかる。」

「オレたちに手伝えることはなにかねえか？」

「それこそ沢田の護衛の方を頼むよ。ボクは生徒会長なのに、並中生を守る時間すらない……情けないことにね。」

「……そうか。」

オレはAの菓子に礼を言って外へ出た。

だが、納得はいっていない。
Aはいつもオレらの知らないうちに手をうち、『最善策』だと言いながら無茶をする。

コイツはなにかを隠してやがる。

きっと聞き出すのも、昔の幼いAならともかく、成長したAは難しいだろう。

正体はわかっても、Aの見えているものが見えない。

「これだけはいつまで経っても謎か…」

『消える瞬間まで話さない。』

そう覚悟したのがAだ。
きっとそれはいい話ではないだろうが…そいつをひとりで背負い込むんだな。

「アイツはファミリーから一線を引いてるからな…」

他の奴らはわからねぇだろうが、オレにはわかる。
アイツはツナたちを同じ守護者とは見ているが、それ以上は踏み込まねえ。

「まずはAの頼みの、ツナの護衛を優先するか。」

そしてオレは学校を出た。