並中生徒会長の日常 3 (ページ41)

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並中生徒会長の異常 41 番外編【D・スペードの異常】ページ41

D・スペードside

ボンゴレを、壊し、私が再び…誰もが聞いて震え出すような、恐ろしいボンゴレを、創りあげる！！

その言葉を聞いても少女は私のことを恐れる様子はなく、ひと言呟いた。

「…嘘つき。」

は？

「嘘ではありません。」

「じゃあなんで生きてる時にやらなかったの。自分の身体で。」

「それはI世と話をしても平行線だとわかっていたからですよ。彼は無欲すぎる。それを周囲の守護者たちは肯定するでしょう？」

そう、何度も話した。
けれど少女はいつも「嘘つき。」と私の背中に呟いていた。

その度に記憶の中の彼女が悲しんでいる気がした。

事故を装い少女を殺そうとするも、すべて避けられた。

「ヌフフ…しぶといですね。ひと思いに殺してあげるというのに…冷たいですね。」

「嘘つき。君はそんなこと考えていない。」

「…バレてしまいましたか。実はじっくりと、いたぶって殺そうと思っていたんですよ。」

そう言うと、少女は「君は、大嘘つきだ。」と私のことをひとつひとつ紐解いていく。

「嘘その1。
本当はシモンがボンゴレの力になるとわかってこの戦いを仕掛けた。それも5年以上かけてまで。

嘘その2。
君は守護者を来てくれることを信じていた。だからこそ、I世と同じようにあえて書かなかった。

嘘その3。
シモンファミリーの死体を用意できたのは、強い幻術を使えるのはスペードくんぐらいだ。」

やめろ。

「嘘その4。
君は沢田綱吉の考えを不要と言えども、否定はしなかった。それは君も同じ考えを心の奥底に持っているから。

嘘その5。
君はX世がI世と似ていることから、彼らが傷つくことを見ていられない。その心の休息のための7日間。」

黙れ。

「嘘その6。
君は、生きすぎた。そして多くの罪を犯した。だから……I世に似ている、X世に裁かれたかった。

倒されたいんだ。」

「黙れ！！小娘！！！」

気がつけばその少女の胸ぐらを掴み上げた。
けれど少女は小さく笑っていた。

「最後の嘘。
君は、誰よりも優しい。甘さと優しさを勘違いしているだけ。

君は誰よりも、ボンゴレを愛している。」

力なく崩れ落ちる。
少女は私に手を差し伸べた。

もう降参だ。

私はこの子に…勝てない。

「そんな君を、ボクは嫌わなければならない。けれど……好きだよ。スペードくん。」

気に食わないですけれど、認めてあげますよ。

「ボクの罪…聞いてくれるかい？」

貴方が私の『本当の意味での理解者』だと。