並中生徒会長の日常 3 (ページ40)

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並中生徒会長の異常 40 ページ40

雲雀side

「……最近本当に君に首輪を付けた方がいい気がしてきた。」

「全部終わったのにかい？」

「自分に聞いてみなよ。」

いつもと同じように首を傾げる。
それすらも腹立つ。
人がどれだけ心配したと思ってるの。

「はぁ……」とため息をつく。
それは疲れや呆れよりも、安堵の方が近い。

「なに。」

「恭弥が生きてることに安心してね。」

「……勝手に遺言残した奴がよく言うよ。」

「その件は悪かったよ。でも晴の炎でも全く起きない恭弥はすごく怖いからね……一度体験してみるといい。」

「もうひとりのアホは起きないんじゃなくて、死ぬからね。それも直ぐに。未来も、あの島も。」

「そ、れは……」

なにも言えないのか、Aは大人しくなる。
実際そうなのだから、少しは反省しろ。

ついでにAの首と僕の手首にに手錠をつける。

よし、これで逃げられない。

炎を使わなければだけど、Aは余程のことが無い限りはつけたままだったりする。
逆に外すのはなにかあった時、ということ。
平和を楽しむAならそんなことは早々ないだろう。

「そういえば。」と話始める。
大人しい時からの話はなにかある、とわかっているから少し身構える。

「この前D・スペードが、今度は守護者たちの力ではなく、自分の力だけで恭弥と戦ってみたいと言っていたよ。」

「なんでソイツが出てくるの。」

「ちゃんと全部終わったらしいからね、たまにボクの精神世界に遊びに来るんだ。恭弥が気に入ったと言っていたよ。」

「そんなの知らないんだけど。」

「まあ、いつか戦えるといいね。」と言うと、遠くを見る。
これはD・スペードの伝言を伝えただけで、特に内容はなかった。
あと遠くを見るのも特になにもないから安全。

…というより、なんで僕はこんなのの面倒を見ているのかとため息をつく。
Aも僕の行動について大体わかっているからか、「許してやっておくれよ。」と困ったように笑う。

「…誰を？」

「ボクを。」

ほら、理解してる。
D・スペードではなく、自分のことだって。

「いやだ、って言ったら？」

「とても困る。」

「……自分勝手な自由人。」

「それは恭弥。」

「それ、A。」

「自由だけれど、自分勝手はしてないよ。」

今日は『ブレスレットな気分』のAのVGはいつもの懐中時計から、ブレスレットへ形を変えていた。
VGまで自由人なんて、終わってる。

僕はまた、ため息をついたのだった。