並中生徒会長の日常 3 (ページ38)

今日:23 hit、昨日:17 hit、合計:6,745 hit

並中生徒会長の異常 38 ページ38

リボーンside

「D・スペードは、優しさと甘さを勘違いしているだけだ。事実、彼はI世の親友を本当に殺そうとは思えなかった。」

「どういうことだ。」と独り言というものに話すと、Aはこちらを見て話した。

「彼は、シモンファミリーを殺せなかった。見殺しにできなかった。もしできていたのならば、歴史にある無惨な姿は誰の幻覚で作られたと思う。」

「「！！」」

「…守護者たちが助けに来てくれることを信じて、彼はその死体を幻覚で作り上げた。もし来なくとも、彼の部下を送らせていただろう。……最後の最後で、彼はシモンファミリーを、殺したくないと思った。それを甘さと恥じ、記憶を見て驚いているフリをしていた。」

それは、筋が通っていた話だった。
「続けてくれ。」と言うと、正面を向き小さく頷いた。

「シモンもそうだ。…ボンゴレの力になると思って、D・スペードが情報提供者として焚き付け、この戦いを作り上げた。…最初からボンゴレファミリーが勝つと信じて。」

「…ならば、あの肉体も？」

「D・スペードの…君への同情だと思うよ。彼は長く、生きすぎた。だから骸くんの処遇を見ていられなかった。
途中で自分が沢田家光の幻覚をしていたと教えたのも、語り部として君たちを生かしたのも、幻覚世界で攻撃しなかったのも…すべて、君たちを傷つけたくなかったから。

彼は、最初から誰かに裁かれたかった。」

「……」

「…弱き者や理不尽に屈する者に手を差し伸べる。彼は…I世と出会った時から、そこだけは決して変わっていなかったよ。」

まるで自分のことのように話すA。
「ボクも、死にたい。『死んで裁かれたい。』そう思っていた。」というAの言葉に、Aの方を勢いよく見るも、その顔は穏やかだった。

「だけど、幻覚世界でずっと、言ってるんだ。ボクの罪は罪ではない。罪は裁かれるだけじゃなくて、背負うものもある。それでも嫌ならば、生きてその罪を償いなさい。…だから、ボクはここで『生きていく覚悟』をしたんだよ。フィニとアルマがその証拠だよ。」

アクセサリーになる前に形態変化をできるほどの信頼と、覚悟の炎。
きっとそれは本物だったんだろう。

「ボクの本当の意味での理解者はD・スペードだし、D・スペードの本当の意味での理解者はボクだと…今ならわかる。

これが、今のボクの独り言だよ。」

そう言ってAはオレらに微笑んだ。