並中生徒会長の日常 3 (ページ34)

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並中生徒会長の異常 34 ページ34

スペードくんの持っていたカードに巻き込まれ、幻覚世界へ行く。

避けられないというわけではなかった。
ただ、『これすらも』悲しいと思ったから。

「沢田綱吉の悲惨な最後を目撃し、語り継ぐ者にね。」

違う。

恭弥の攻撃を避け、戦闘を続ける。
しかし恭弥も別の幻覚世界に飛ばされる。

新たな属性を見せびらかせた。

少しでも自分を強く見せたくて。

古里に真実を話した。

自分が不利になるのにも関わらないのに。

ボクは、それに…泣くことしか、できなかった。

「うっ…ひっ…ひっ……」

『消えたい。』

そんなこと言って、ごめん。

君は『消えたくなかったのに。』

『生きていたかった』んだ。

『大切な人と。』

ーセレナさんとー

「ごめん、ごめん……スペード、くん…」

傲慢がすぎる。

幻覚世界だからか、とても小さな…彼の心が聞こえた。

そしてボクは、泣くことを、やめた。

？？？？side

残ったのは炎真とツナ。
そしてオレとムクロウとクローム。

守護者の力×6人

これはオレたちに分が悪すぎる。

ヤベェ、そう思った時「風の塊…ある、か、い……」と幻覚世界から出てきたであろうAがいた。
強いことで忘れていたが、こいつも術士だったことを思い出す。

「あるが…ヤケになってんじゃできねぇぞ。」

「別に、いい…」

今までのAなら言わないであろう言葉に驚くも、それを取られる。

Aの声が掠れて聞こえにくかったが、理由を考える前にAが叫ぶ。

「スペードくん！よく聞け！【セカンドセレクト】は【NO】だ！」

Aの目の中には確かな覚悟があった。

「いくよ、フィニ！アルマ！」

「待て！そのまま形態変化は危険だ！！」

「大丈夫だよ。ボクにはすごい相棒がふたりもいるからね。いくよ、形態変化。」

アクセサリーになることなく、形態変化をした。

ショートパンツの燕尾服。

深く被るシルクハットからはうさぎの耳と、懐中時計が着いていた。

その姿は、時計ウサギ。

塊から形態変化したのはすげえ。
だが、その性能をオレたちはもちろん、Aもまだ知らねえ。

引き留めようとしたが、Aはそのまま、『空を蹴った。』

「“彩取・黒水”！！」

Aは手からインクを出すと、黒のインクをオレらの周りにぶちまけた。

「なんだこれは！」

「対象、リボーン、クローム髑髏、骸以上3名。」

オレたちに近づこうとした奴が、弾かれた。