並中生徒会長の日常 3 (ページ33)

今日:31 hit、昨日:17 hit、合計:6,753 hit

並中生徒会長の異常 33 ページ33

「さて、着いた…ということで、手錠を外してもらえないかい？」

「却下。」

「…別行動になると思うのだけれど。」

「どういうこと。」

「ボク、加藤くんの体に精神戻してこないといけないからさ。」

すると恭弥は黙って手錠を外した。
不満そうだったけれど。

そして着いた時には…

「さすがだね、骸くん。」

「クフフ…当然のことでしょう。」

流石というか、やっぱり骸くんが勝っていた。
そして精神を元の身体に…………

「なあ、A。加藤ジュリーの精神が戻ってこないんだが、どうしたんだ。」

……中々戻らない。

「骸くん、手伝って。」

「……ああ、なるほど。わかりました。」

そして加藤くんの目が覚めると、加藤くんは文句を言っていたけれど、聞かないでおく。
リボーンがさっきの現象について聞いてくる。

「あれは……前例がないから…」

「前例？どういうことだ。」

「僕の方から説明します。」

「…なんで君からなの。」

不機嫌な恭弥をなんとか宥め、骸くんが話す。

「僕もお邪魔することがあるのですが、Aの精神世界が随分と過ごしやすいと駄々をこねていたので、僕が外から、Aが内側から押し出す形で無理やりご退場していただきました。」

「…オレちん、もっと居たかったんだけど。」

「先ずは自分の身体優先だと何度言えば……」

みんなきちんと帰っていくから、まさか帰らない人がいるとは思っていなかった。
あと骸くんが恭弥を焚き付けた上に、「僕たちは『お茶会仲間』ですから。」と追加燃料を入れた。
おかげで機嫌が最悪になってるからどうにかしてほしい。

「そういえば、貴方…VGは？」

「覚悟がさ、無くて……今じゃ黒も、これだけさ。」

ぽっ、と小さな黒が灯る。
そう、たったこれだけ。
これでVGなんて、不可能に等しいだろう。

どうせ誤魔化されてなんてくれないんだろうけど。

復讐者が現れる。

しかし、それは骸くんの身体を乗っ取ったスペードくんをどうにかしてほしいというものだった。

「遂に、我々と同じ属性を手に入れたか。」

そこまでして、絶望してしまったのか。

「！…どうしたの。」

「…ん？」

「…泣いてる。」

そこで、ようやく気づいた。

ボクは君が怖い、というわけではない。

「さあ、終えましょう。」

ただ、君が、そこまで絶望してしまったのが

「君たちの世代を。」

悲しいんだ。