並中生徒会長の日常 3 (ページ4)

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並中生徒会長の異常 4 ページ4

炎真side

虐められてたら、『ダメツナ』と言う人まで巻き込んでしまった。
けれど、着物を着た誰かに助けられた。
その人が下駄の音を鳴らしただけで、男たちの動きは止まって、僕はなにもしないまま、助けられた。

「まったく、なにをしているのかと思ったら…早々にやられていたのか。」

その言葉になにも言えなかった。
僕は昔から虐められてたから。

黙り込んでいた僕にしゃがみ込むと、「優しさと甘さはまったくの別物だよ。古里。」と僕を呼んだ。

優しさと、甘さは、まったくの、別物。

それはまるで、『本当は僕が強い』ということを言っているようだった。

その人はオレの破れた教科書を見ると、「明日にでも新しい物を出そう。」と言った。

「で、でも…オレ…お金、持ってない…です。」

「初めましてだろうけれど、ボクは並盛中学校生徒会長の空野Aだ。生徒会長として、生徒が勉強を出来るように手助けするのは当然のことだ。気にすることはない。」

「た、助かった…」と安心している、巻き込まれた人。
きっと、この人たちはいい人なんだろう。
けど、僕の近くに居たら…どんくさい僕のまわりにいたら、巻き込まれるだろうから。
生徒会長さんに話そうとしたけど、口の前に指を1本立たされた。

「生徒を守るのが役割だからね、さっきのは後でもう手が出せないように躾てくるから安心するといい。」

「物騒ー！！」

「並中生も、並盛も守るのが生徒会長だ。治安維持のために、一度現実を見てもらわなければね。」

そしてその人はカランコロンと下駄を鳴らすと、電柱の上へ立った。

……電柱の、上、に…？

僕が驚いていると、「古里。君のお友達に伝えて欲しいのだけれど。」と声をかけられた。

「鈴木くんに、騙してすまない。そう伝えてくれ。」

そう言うとその人、生徒会長さんは消えた。

たしか、あの人は……風の守護者、だったと思う。

ボンゴレとの繋がりは、わからないけど。

多分、悪い人では…ない、そう、思った。