並中生徒会長の日常 3 (ページ28)

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並中生徒会長の異常 28 ページ28

見透かされた…？

『それは全て、貴方のことでしょう？』

一番、わかっていた。

けれど、一番、言われたくなかった。

わかってる、スペードくんが、ボクと同じだということを。

罪を憎み、罰を与え続ける。

悪いことは、していない。

けれど、ボクは意図的に、スペードくんは無自覚に罰を与えている。

『人生は長さではなく、密度。』

『幸せか否か、それが全て。』

『愛おしい存在がいるということは幸せ。』

そして、

『優しさと甘さは違う。』

ボクが、自分に言っていた…？

ボクは、自分を許したがっている…？

ボクは、罪を犯したというのに…？

人を殺したというのに、生きたいと…そう、思っているとでも言いたいのか。

スペードくんは鈴木くんの元へ向かう。
きっと恭弥の戦いも無事に終わるだろう。

ボンゴレに、あまり会いに行ってはいけないけれど……

視界に入ってしまうかもしれないけれど……

とにかく、スペードくんをぶん殴りたい。

ボクに、すべてを自覚させたんだ。

君だってすべてを自覚しろ。

完璧な理解者なんだろう？

拳ぐらい甘んじて受け入れろ。

普段なら暴論だと呼ばれるそれも、背後からの気配の怒りに消えた。

そしてボクはなにも考えずに場所を移した。

？？？？side

雲雀が腕章を奪い、勝負は終わった。

そこまではいい。

現れた復讐者のひとりが森の奥へ飛び出した。
そこには、Aがいた。

Aは気づいていないのか、のんびり深呼吸をしていた。

「「「！！」」」

「A！！早く逃げろ！！」

しかしオレの声は届かなかったようで、まだ深呼吸をしている。

「ボクは、三回目までは許した。仏の顔も三度、とか言うしね。」

鎖がAの頭目がけて飛ぶ。
そして小さくも、よくとおる声が響いた。

「四度目はねえ、ってことだよ。」

Aはその鎖を左手で握りしめる。
手からは血が溢れていた。
笑う復讐者だったが、Aが鎖を引っ張ることにより大きく身体が傾く。
足場を崩され、一瞬の隙に武器を奪うと、その鎖で喉を締める。

空気が揺れるほどの殺気が充満する。

「『俺』は三度目に忠告をしてやったはずだ。次、手ぇ出してみろ……二度はねえ。」

そう言うと、復讐者を蹴り飛ばし、ワープで復讐者をどこかへ飛ばした。

「たしか近くに川があったはず…おや、みんなかい。」

アイツは何事も無かったかのように話しかけてきた。