並中生徒会長の日常 3 (ページ22)

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並中生徒会長の異常 22 ページ22

綱吉side

ボンゴレリングが、全壊した。

それは、最後の希望の光が断たれてしまったということ。

後悔し、自分を責める9代目に声をかけても、返事はなかった。

「まだ光は消えとりゃせんぞ。」

現れたのは、知らないしわしわのおじいさん。
9代目は知り合いのようで、敬語を使って話しているから、もしかしたらすごく偉い人なのかもしれない。

「奴はボンゴレに仕える、最古の彫金師タルボだ。」

「ちょーきんしとは何だ？」

「金属を加工しアクセサリーを作る職人のことだぞ。
滅多に姿を見せない仙人みたいなじーさんでな、いつからボンゴレに仕えているのかも謎なんだ。I世の頃から仕えてるって噂もあるぐらいだ。」

「え！？」

そんなすごい人だったとは思ってなかったよ…。
タルボさんは全壊したボンゴレリングを見て、なにかを言っていた。

「ふぉっほっほっ。罪を浴びたシモンリングを相手にした？そりゃあ勝てんわなあ！！」

「なんと！！」

「なんで知ってるの？」

今来たばかりで、炎真くんももう姿を消したというのに、まるで見ていたかのように話すタルボさん。

「どーするね？ボンゴレリングは生まれ変わりたがっとるぞ。」

「生まれ…変わる？」

言葉の意味がわからなくて、悩んでいると急に杖でつつかれた。

「てっ！」

「ふぉっほっほ。リングの言う通りの男じゃ。」

「いててっ！いたいです！！」

獄寺くんが庇ってくれたおかげで助かった。
けど、さっきから『リングの言う通りの男』とかって言ってたけど…どういう意味なんだろ。

「リングが言うとかって、どういうことなんですか？」

「んなことも知らんでつけとったのか。
優れたリングには魂が宿る。
魂あれば、感じることもある。」

それは、どこかAに似ているような気がした。
タルボさんはたくさんのことを話してくれた。

壊れたのはガワだけだということ。

ボンゴレリングが直るということ。

そして、今のボンゴレリングではシモンに再び挑んでも、ボコボコにされるということ。

「そりゃあ、リングの格が違うからのう。シモンリングはリング製作に携わった、初代シモンの血、罪を浴びて何倍にも力が強化増幅しておる。」

「…勝ち目はねえのか……」

「そ…そんな……」

そんな絶望的なオレらにタルボさんが話す。

「今のままでは勝てん。修復とともにver.アップせねばの。」

「バージョンアップ？」

そしてタルボさんは話を続けた。