並中生徒会長の日常 3 (ページ3)

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並中生徒会長の異常 3 ページ3

雲雀side

「そういえば、君…『自己紹介』できるの？」

「ボクはできるけれど…？」

思い出したことをAに言ってみる。
自己紹介を無意味と言っていた昔のA。
ならば今はできるのだろうか、と聞いたところできるようだった。
軽い気持ちで「やってみて。」と促すと、疑問に思いながらAが話した。

「並盛中学校生徒会長の空野A。誕生日は5月5日だからおうし座で、血液型はわからないけれど、O型みたいだとは言われるな………というか、これを恭弥にする意味があるかい？」

「昔の君が自己紹介を無意味と言っていたから、できるのか試してみただけさ。…今は昔ほどひねくれていないようだけれど。」

過去の自分にため息をつく。
「出ていった方がいい？」と聞かれたから「居ろ。」と言うと、大人しくソファーに座った。

「…出会った記憶がないのだけれど。」

「一時的なものだからじゃないの。」

「……迷惑かけてそうだね…」

「そうだね。沢田綱吉はボコボコにされて、獄寺隼人は仮死状態にされたしね。」

「申し訳ない…」と目を瞑るA。
普段からこれぐらい大人しければ僕も安心できるのだけれど。
君は自分からなのかわからないが、よくアクシデントに巻き込まれるからね。
こうやって首輪をつけてる方が安心するぐらいだ。

「そういえば、」と思い出したことを伝える。

「近いうちに集団転校生が来るらしいよ。」

「そう。ボクは白い部屋に入らないことと、サボり防止以外はないからね。全部風紀委員がやってくれるからさ。」

「風紀を正すのは僕の仕事だからね。」

昔それは嫌味かと思ったが、本人の口元は笑っていた。
そのことから、楽で助かっているだということを伝えたいと知った。

…よく思うけれど、Aの言葉は誤解を生みやすい。

僕も初めの頃は、馬鹿にしているのか、と思うことも多々あった。
けれど、本人が穏やかな雰囲気だったり、口元が笑っていたり、という小さなことから誤解は解けるのだけれども。

「集団転校生だろうが、風紀を乱したのなら…咬み殺す。」

僕の言葉に「それでこそ恭弥だね。」と並盛中学校生徒会長は小さく笑った。