並中生徒会長の日常 3 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:17 hit、合計:6,728 hit

並中生徒会長の異常 20 ページ20

リボーンside

「お前、何言ってんのかわかってんのか。」

スクアーロが殺気を放ちながらAに刃を向ける。
しかしAはオレたちの言葉も聞かず、有幻覚、そして構築で白い箱を作り出し、風のリングを『閉じ込めた』。

「9代目、この子をタルボくんに渡してくれないかい。」

9代目の瞳に動揺が見えた。
オレからの連絡にもコイツがこんなことをする奴だとは思っていなかっただろう。

「おい、A。…お前、ツナたちを裏切るつもりか。」

「並中生を裏切るはずがない。それは古里たちだけじゃなく、沢田たちもね。並盛中学校生徒会長として誓うよ。」

「じゃあこれはどういうことだ。」

「今は最善策を取る時間もない…最悪策しかね。」

それはとても大切そうに、愛おしそうにリングの入った箱を見ていた。

「9代目、この子を頼む。」

そう言って頭を下げるAに9代目が聞く。

「ボンゴレから出ていく者の言葉を聞く必要がある。」

その答えにAは目を閉じて話す。

「ボクは、この子たちの…『相棒たちの心を壊したくない。』だから行くんだ。アルマと一緒に…よろしく頼む。」

開かれたその目には、確かな覚悟が見えた。
そして「アルマ、おいで。」と活性をしていたはずの大鷲を呼ぶ。

「アルマ。フィニ…は見えないけれど。ボクは君たちと出会えてよかった、本当に、幸せ者だ。大好き。…だから置いていく。……達者でね。」

笑顔のはずのAの目からはボロボロと涙を流していた。
そして雲雀の元へ行くと、「無理しないように。」と再び頭を撫でていた。
涙の理由を聞こうとした時、「リボーン。来てくれ。」と呼ばれる。

「リボーンも、みんなも…今まで世話になった。ありがとう。」

それは、まるで今から死にに行くような言葉で。

「リボーンたちには悪いが、『最善策を作る時間がなかった。』これからボクが選ぶのは『最悪策しかできない』。」

「！！」

「最後に、恭弥に『ごめん』と…『大好きだよ。』そう伝えてほしい。」

それは作られた笑顔だと、誰もがわかった。

「…ツナたちを信じねえのか。」

「ボクにはタイムリミットがあると、前に言っただろう？…そういうことさ。」

そう言って、Aはシモンへ歩いていった。