ボクの日常 32 ページ33
「た、ただい…ま……？」
目の間にはとんでもない顔をしている恭弥。
咬み殺す、っていうより殺すの方が合ってる。
正直マフィアなんかより、恭弥の方が比べ物にならないぐらいに怖い。
草壁に案内された場所は白い部屋。
最初「なんでだい？」と聞くと、「見ればわかります。」と渋々扉を開けたのかこの時。
まだ、恭弥のとんでもない怒ってる姿を見てない時。
あの時は平和だったな、なんてことを思うと「ねえ。」と声がかかる。ここまで本気で怒らせたことがないため、ひとつひとつに気を配らないと多分(咬み)殺される。
自室ということもあり、心の余裕を無理やり作って「うん。」と返事をする。
「なんでひとりで行ったの。」
「…並盛を恭弥に任せたかったから。」
恭弥の声が一瞬震えた、気がした。
「なんで僕になにも言わなかったの。」
「…恭弥を巻き込みたくなかったから。」
これは怒っているんじゃない。
ここでようやくわかった。
「…なんでそんな危ない所へ行ったの。」
「並盛を、並中生を、恭弥を…守りたかったから。」
心配してくれてたんだ。
心配して、だからといって心配したんだよ、なんて言える性格じゃないから。
不機嫌ながらに、怒って、自分を落ち着かせていたんだ。
自分が並盛を離れて何日が経ったのか、それはひと月以上。
黒曜でボロボロになった恭弥にお見舞いを行っていたボクとは違う。
心配する、レベルが全く違う。
黒曜ランドでケガをしたと知ったボクと、なんの情報も渡されていない恭弥。
毎日お見舞いに行けたボクと、居場所すらわからない恭弥。
大ケガに心配するボクと、生死を心配する恭弥。
生きているのか、死んでいるのかすらわからない、そんな状況で、ずっと待っていてくれたんだ。
恭弥は心配したんだ、なんて素直に言える性格ではないから。
だから、淡々と質問した。
それを怒っているだなんて、失礼にも程がある。
「恭弥、いいかい。」
「黙りなよ。君は言われることに答えればそれだけでいい。」
「うん、そうする。だけどその前に少しだけいいかい？」
下がらないボクに恭弥が「わかった。」と引き下がる。
今の恭弥へ必要なことはふたつ。
「たくさん心配かけてごめん。」
謝罪の言葉と、
「待っていてくれて、ありがとう。」
感謝の気持ちを伝えることだ。
「…………わかったよ。」と恭弥がいつもの様子に戻ったのだった。
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ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
