ボクの日常 3 ページ4
小さなマンションの扉を開けて、『夜の炎を灯して』一歩。
そこがボクの家。
「……疲れた。」
疲れたってのは炎ではなく、『生徒会長としての姿』が。
ネックレス…のような『黒いおしゃぶり』を指でいじる。
「思えば、『あの日から』もう4年、か……」
傷つける気はないけれど、なんとなく爪で弾いてみる。
真っ黒なおしゃぶり。
全ては『これ』から始まった。
ボクは、気がつくとここに居た。
首元にこのおしゃぶりを着けて…
・
・
・
瞼を開ける。
自分がどこにいたのかさえ覚えていなかった、そんなあやふやな状態だった。
目の前には文字が浮かんでいた。
【契約 対価】
「は？」
契約？なにそれ。
対価ってなんの？
疑問を持ちながらとりあえずタップする。
【ひとつ、並中で5年間生徒会長を務めること。】
「あ？」
中学って3年制って知ってるか？
どうやって5年やるんだよ。
初っ端からアウトじゃねぇか。
つーか、並中とか並盛ってマンガの中の話だろうが。
それはいつ読んだのか覚えてないけど…無理やり思い出されたってのは確か。
だって、こんなにも頭が割れるぐらいに痛いくせに、全部記憶の中に情報が擦り付けられるんだから。
なんとなくもう一度タップ。
【ひとつ、並盛で5年以上生活すること。】
「……最低でも5年はここに居れってか…」
……ってのが約4年前の話。
自分の意思で見ようとすれば、『それ』がまた現れる。
キッカリ『現在 0年』だったものが、いまでは『現在 約4年』となっている。
金やら物資は「意味わかんねぇ…」と頭を抱えてたボクにどこからか知らないが、トントン拍子で勝手に入ってきたから、生活に困ることは無い。
どうせマンガの世界だ…なんて思ってたのは確か半年頃までだったか。
今となってはマンガのはずなのに『現実』となっているから…慣れとは恐ろしいものだな、なんて思う。
契約内容を知ることは出来ないのか。
なぜこんなことをしているのか。させているのか。
無機質な文字を表示させ、いつも聞いているこれらを聞くけど、やっぱり、何度聞いても答えてくれることはない。
ただ、ひとつだけ答えたものがある。
『期限が過ぎればボクは生きているのか。』
それに対して文字は、
『選択 可』
と、答えた。
生きることも、死ぬことも『選択 可』ってことか。
それとも、ここに居るのか、現実へ戻るか、なのか。
いつもボクはわからないままだ。
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ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
