ボクの日常 27 ページ28
恭弥が風邪をこじらせて病院へ行く。
恭弥の仕事は全て草壁に任せたから問題はないだろう。
耳は聞こえるようになってきたが、それもぼんやり。
会話には読唇術が必要となるため、学校はしばらく休んでいた。
『緊急の用ができた。』という理由で。
変に殺し屋が押しかけてきてもめんどうだから。
まあ、それも間違ってはいないのだけれど。
かと言って、他の人に色々聞いたらそれはそれで面倒なことになるだろう。
沢田の悲鳴がする病室を開けた。これは恭弥だな、と確信する。
「恭弥、お見舞いに来たよ。」
「…ふん。」
「おや、足元に沢田だね。咬み殺した直後かな。」
足元には沢田。
まだ治療もされていないところから、咬み殺されたてだとわかる。
「な、なんで…そんな、雲雀さんの名前を呼べるんですか？」
「ボクは君と山本たちのような関係だからね。」
「ん？というと…？」
「恭弥はボクの『同級生』だよ。それも自慢のね。」
「うるさいよ。」
「え、ええー！！？？」
本当にうるさい沢田に耳を塞ごうとした時、「黙りなよ。」と恭弥が沢田を黙らせる。
恭弥はこういうさり気ない優しさというか、不器用な優しさがある。けれど、不器用すぎて誰も知らないだけなのだけれど。
「沢田たちよりも長くいるから、絆は君たちよりも強いと思うよ。」
「ほ、本当…ですか…？」
「さあ？どうだろうね。」
その回答に沢田が出て行った。
「で、なにがあったの。『緊急の用ができた』んだろ。」
「……今恭弥に言うべきか、言わざるべきか悩んでいるところなんだけど…どうすればいいだろうか。」
「それ本人に言う？さっさと吐け。」
「その前に。」と前置きをする。
「最近身の回りに変化は？周囲の変化について。」
「…それが関係してるの。」
「十中八九そう。だから恭弥になにか変化があれば教えて欲しい。」
「なんの変化があったの。」
「ああ。それが…」
「早く話してよ。」
「…『居る』。」
「なにが。」
「悪いけど窓から出てくよ。じゃあね。」
「待ちなよ。次はいつ来るんだい？」
「そうだね、穴だらけになったりしたら行くよ。」
それは相手は銃を持っているということで。
なったりしたら、ということは他にも攻撃方法があるということで。
それ以上Aに言葉が通じるわけなくて。
窓から飛び降りてAは病室を出ていった。
「あの、自分勝手…」
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ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
