ボクの日常 番外編 16【雲雀恭弥の日常 2】 ページ17
雲雀side
ー【年齢は関係ない。一緒に入学して、今に至るから、『同級生』だよ。】ー
そう言い切ったこの子はとんでもないアホだ。
けれど、
「日陰に行こう…暑い。」
「ここでいいじゃん。」
「じゃあ打ち水しよう。たしか、校則になかったね。」
「校内で打ち水なんかしようとする馬鹿が居ないからでしょ。」
僕を恐れずに、『雲雀恭弥』として接してくれるこの時間が楽しかったりもする。
Aの名前を呼べるのは僕だけ。
なぜかそれを特別だと思っていた。
そう、思っていた。
数日後、山本武がAのことを名前で呼ぶまでは。
「ねえ。」
「どうしたんだい？」
「…山本武がAのこと、名前で呼んでたんだけど。」
「前に名前で呼んでいいか、と話していたからね。許可したよ。」
それは僕だけの特権だと思っていたのに。
「なんで許可したの。」と聞くと、「ボクの呼び名などどうでもいいだろう？」と返す。…そういえば、Aは自分のことを気にしていないところがあったことを忘れていた。
Aは僕のことを見つめたまま話し始める。
「恭弥は呼び名を気にしているようだが、ボクも人間だ。学校にいるほとんどの人間から『生徒会長』と呼ばれるより、ボクという人間の名前を呼んで欲しいとは思う。だから、許可した。」
「……だからなに。それで許されると思ってるの。」
わかってない。絶対に。
そう思っていると、「それでも、」と話を続ける。
「それでも、『ただの一生徒』に呼ばれるより、『同級生』に呼ばれる方が嬉しいに決まっているだろう。同級生だから、ボクは恭弥の名前を呼べることを…その、特別…というか……嬉しく思ってる。」
「……」
誰だ、コレは。
Aはこんな姿を一度も見せたことがない。いつだって飄々としている姿か、相手を倒すことしか考えていない姿しか見たことがない。
「それに！！」という大きな声にまたビクリと反応する。
「ボクは、いつも頑張ってるんだよ。」
「……なにを。」
「…………うるさくならないように。」
「は？」
「名前、呼ばれた時…恭弥に、幻滅されないように…なるべく、我慢してる。」
「……なにを？」
「……言ったら、名前で呼んでくれなくなる。」と言うAに「今さらでしょ。はやく吐きなよ。」と返す。
Aが返してきたのはとんでもない回答だった。
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ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
