ボクの日常 番外編 15【雲雀恭弥の日常 1】 ページ16
雲雀side
屋上で昼寝をすると、誰かの足音に目が覚める。
半覚醒、という状態で様子を見ると「ぐっすりだね。」「お花畑の夢かな。」と声がした。
草壁が「そうかもしれませんね。」と同調しているところが余計にムカつく。草壁は後で咬み殺す。
誰がぐっすりだ。
ていうか、誰がお花畑の夢なんか見ると思ってんの。
そもそもカランコロン、なんて音を出す下駄を履いた子なんてひとりしかいない。
不機嫌を隠さず体を起こすと、その声の主がいた。
「君の足音で起きたんだけど。」
「それはすまなかったね。」
本当に安心したかのようなその姿は、きっと、前回の姿を思い出してのことだろう。
「別に、君のためじゃなくて並盛の為だから。」
「うん、知ってる。」
「………勝手に心配するな。」
「では勝手に安心しておくよ。」
心配も安心も同じことだろう。
勝手に心配も、安心もするな。
と、言いたいところだが、その原因が自分な為、なにも言えない。
「恭弥は咬み殺したら直ぐに眠るからね、どうやって起こそうか悩んでいたところだ。」
「君の足音は目立つから嫌でも起きる。」
「そうかい？」と言いながら下駄を触っているこの子。
なぜ僕がこの子に自分の名前を呼ぶことを許可しているのかというと、
「そうそう、熱中症対策。冷たいお茶。」
「……そ。草壁、どっか行ってて。」
「わ、わかりました！」
「寝てる時って汗かいてることに気がつかないからね。また寝る前に、今飲もう。」
それはこの子が、
「…………ありがと、A。」
「どういたしまして。」
僕の『唯一の同級生』だから。
「自動販売機に恭弥の好きなお茶がなかったから、いつの間にか町内1周してたよ。」
「馬鹿じゃないの。」
「あと涼もうと中に入ったら普通にスーパーで売ってた。」
「馬鹿だね。」
まあ、そんな馬鹿を見るのも楽しかったりするけども。
唯一僕が『群れても大丈夫』な子。
それが僕の唯一の同級生のAだったりする。
ボクの日常 番外編 16【雲雀恭弥の日常 2】→←ボクの日常 14
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドク(プロフ) - minniepeasukeさん» minniepeaskeさん、読んでくださりありがとうございます！そして褒め言葉ありがとうございます！（少々照れますが）。生徒会長シリーズは終わりましたが、好奇心で続きも書いたので、よろしければ読んでください。ありがとうございました！ (9月26日 21時) (
レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
minniepeasuke(プロフ) - すごく面白いです！！ これからもがんばってください YOU GOT THIS (9月21日 5時) (レス) @page5 id: 40586b4cac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ドク | 作成日時：2023年8月24日 18時
