番外編【姉じゃない、みんなのお姉ちゃん1】 ページ46
今日は教科書を使う授業がひとつしかなかったから、昨日のうちに置き勉。
そして、鉄にぃたちの部活がないからひとりで散歩…の予定だったんだけど。
「なんで着いてくるの?」
「なんとなく。」
「Aのお散歩いっつも着いてったことなかったから。」
「じゃあみんなは?」
「…知らない。」
後ろでは「黒尾先輩がどこかへ行くらしい!!」と虎くんを筆頭にぞろぞろと着いてきたバレー部のみんな。
「歩いてるだけですねー。」と言ってるリエーフくん、本当に何しに来たの?
歩くでしょ、散歩だし。
「本当にちょっと散歩してから帰るだけなんだけど…。」
ため息をひとつすると、「Aちゃーん!」と私を呼ぶ声がした。
この声はトキさんだ。
「トキさん、おはよ。」
「あらぁ、今日はすごい大所帯ねぇ。」
「それ私も思った。」
「でも丁度いいわ。Aちゃんこれ持ってきなさい。」
目の前には立派なカボチャ。
持ってきなさい、というのは後ろの人たちに持たせろということだろう。
「うん。ありがと、トキさん。いただきます。」
「ん?おう。」
私は鉄にぃを呼ぶと、鉄にぃにカボチャを3個持たせた。
・
・
また少し歩くと、ヒサさんが「Aちゃん、元気か〜。」と手を振ってきた。
それに手を振り返すと、「後ろに持たせて、持ってけ。」とたくさんの駄菓子が入った大袋をふたつ。
「中々受け取らねぇからなぁ…今日はラッキーだな!」
「いつもごめんね。でもありがと、ヒサさん。おやつ貰うね。」
軽めのお菓子の詰め合わせをふたつ、研磨に渡す。
「研磨なら、これ持てるよね?」
「…まあ、これぐらいなら。」
そして少し歩くと、「A姉ちゃんじゃん!おひさ〜!」と中学生となったひよりちゃんが声をかけてくる。
「A姉ちゃんの後ろ、絵面ヤバくて笑った。」
「大丈夫、それが普通だから。『ヒヨコ』ちゃんも帰り早いね。部活無し?」
「だから『ひより』!いつまでも『ヒヨコ』じゃないってーの!部活はないけどさ。あ、じゃあ10本アイス買ってそこの人たちも一緒に食べる?」
「あー、ヒヨコちゃんの財布が大丈夫なら?やっすいのでよろしく。お小遣い大切に使いなよ〜?」
コンビニから戻ってきたヒヨコちゃんからアイスを貰い、歩き始める。
「…視線がすごいんだけど、何?」
「いやそれ絶対こっちのセリフだろ…。」
鉄にぃが呟くと、周囲が全員頷いた。
何が??
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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月24日 18時