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姉じゃない34 ページ35

「Aちゃんって、お兄ちゃんのこと好き?」そう聞かれたから、大好きの上位互換の「愛してる。」を言うと、何故か引かれた。
何を引いているのだろう。

そんな私にクラスメイトは焦るように言葉を続ける。


「じゃ、じゃあお母さんとお父さんは?」

「愛してる。」

「孤爪くんは?」

「愛してる。…けど、どうしたの?愛してるっておかしかった、の…?」


私が聞くも、クラスメイトたちは独り言を言うだけで。


「ファミコンと幼なじみ大好きなだけだった…!!」

「ゲーム機じゃないし、幼なじみ愛してるよ?大好きより大好きなのが愛してるなんでしょ?」


しかしクラスメイトたちはまた独り言を言うだけで。
「ピュアじゃん!!」「お姉ちゃんが幼女!!」「トキメキが止まらないんだけど、医者どこ?」と呟いていた。

ひとりの男子が「今どきファミコンとか珍し。」と言った。


「ファミコン…ファミリーコンピューターのこと?」

「うわぁ、純粋だしマジでレトロじゃん…。」

「よし、Aちゃん今からレトロちゃんね。」

「なんで??」


何故かクラスメイトから『レトロ(ちゃん)』と呼ばれるようになった。
理由は『純粋だから。』
いやいや、純粋とは程遠い人ですが??


「私は、ファミリーコンピューターだった…?」

「そうだけど違う。」

「てかレトロちゃん、お姉ちゃんっぽいのにちょっと抜けてて、ちょー可愛いんだけど!」

「「わかる〜!!」」

「か、かわっ!?」


可愛いなんて(ママ以外から)言われたことがないものだから、恥ずかしくて赤くなる。
そしてそれに「ピュア!」「純粋!」「かわいい〜!」と私の写真を撮る。
恥ずかしくて涙が出てきた。


「は、恥ずかしい…から、写真、やめて…?」

「「「ヴッ…。」」」


一緒にお弁当を食べていたクラスメイト、そして1部のクラスメイトが崩れ落ちた。
…ファンクラブの方…なのかな…。
でもこれは…というより私は可愛くないと思うけど…。


「みんなの方が可愛いよ?」

「ピュアなレトロちゃんにはみんな負ける…。」

「…ピュアって何?」

「「「ァッ…。」」」


次は他の人たちも崩れ落ちた。
いつもと全く違う教室に違和感を持ち、私は「ごちそうさまでした。」をすると教室を後にした。


「ちょ、どこ行くの…。」

「研磨!」

「「「……。」」」


最後は返事すらなかった。
本当にみんな大丈夫だろうか…と思いながら、私は研磨のとこへ足軽に向かった。

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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月24日 18時

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