姉じゃない32 ページ33
No side
『黒尾くんファンクラブ』と『黒尾ちゃんファンクラブ』は大いにもめた。
曰く、『こちらの方が尊い』と。
そして増えていく『アルバム(盗撮)』の見せ合い。
そんな争いが続いたある日のこと。
「あの、先輩…少し、いいですか?」
「ひゃい…。」
黒尾ちゃん、もといAちゃんに話しかけられました。
いやもう心臓死んだから。
まともな言葉を話せなかったから!
そして連れてかれた校舎裏。
Aちゃんが私のお腹に顔を埋めた。
「ど、どうしたの!?」
「……壁ドン…したかった……。」
「んんんんんん!!!」
顔を赤くして俯くAちゃんは最高でした。
そして一言。
「私と鉄にぃの学校内での写真は認めるので、『ふぁんくらぶ』?について教えてください。」
「勿論ですともありがとうございます。」
私は全てを話した。
日々の尊さ、可愛さ、かっこよさ…。
自分の兄が褒められたり、かっこいいと言われると腕を組んで「うんうん。」と頷くのに、自分が可愛いと言われると「へぇ!?」ってなるの最高でした。
そして、今の『黒尾くんファンクラブ』と『黒尾ちゃんファンクラブ』についても、話してしまった。
Aちゃんは少し悲しそうな顔をすると言いました。
「暴力も、悲しいことも…やめよ?」
そして私はその時決心しました。
・
・
・
「二度とあんな顔をさせたくない!!だから私は!!
『黒尾兄妹ファンクラブ』を提案するっ!!!」
満員一致で『黒尾兄妹ファンクラブ』が結成された。
後日、「悲しいことない?」と聞きに来たAちゃんに、「大丈夫、統合したからね。」と言うと、「よかったぁ。悲しい人、居ないんだね。」と言ったAちゃんは天使でした。
そして最後に一言だけ、言いました。
「鉄にぃにはナイショね。びっくりしちゃうかもしれないから…ね?」
控えめに言って死んだ。
「以上、『黒尾兄妹ファンクラブ』『会長』の尊みの報告より。」
「ああああああああ!!!!!」
「尊いっ!尊いよぉぉ!!!」
「お兄ちゃんも妹ちゃんも大好きだぁぁぁ!!!」
同士の悲鳴や雄叫びが聞こえる。
よくあることなので、防音設備のある音楽室でしか出来ないことだ。
そして、そんな同士たちを見ながら……
「尊すぎて爆死してぇぇ!!!」
私も叫ぶのだった。
ーーー
『黒尾兄妹ファンクラブ』
3年生・2年生・1年生、在籍。
人数、○○○人。
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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月24日 18時