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姉じゃない21 ページ22

「……潔子お姉ちゃん、力あるね…。」

「男子バレー部のマネージャーしてるから。」


赤葦くんに続いて、まさか…女性におんぶされるとは…。


「……潔子お姉ちゃん…私、高校2年生……。」

「そうなの?可愛いね。」

「潔子お姉ちゃんの方が可愛いもん!アッ…。」

「もん、って可愛い。」


恥ずかしいぃぃ……。

風に溶けてしまいたい……。


ボールの叩きつけられる音に、ピーと鳴るホイッスル。


急いで身体を起こすと頭が痛いのと、潔子お姉ちゃんが「危ないよ。」と元に戻される。


「今の、すごく、キラキラ…見えた…!!」

「キラキラ?」

「試合も、練習も、なんでも!頑張ってる人はね、キラキラしてるの!もちろん潔子お姉ちゃんも!!」


潔子お姉ちゃんは少しびっくりしていたようだけど、キラキラは隠そうとして隠せるものじゃない。
だって、その人の原動力なんだから。


「着いたよ。」

「潔子お姉ちゃんありがと。」


潔子お姉ちゃんは「どういたしまして。」と静かに笑った。

潔子お姉ちゃんはキラキラしてた。
でも、ここは、もっとキラキラしてた。
多分潔子お姉ちゃんで慣れていなかったら直視出来なかったぐらいの、キラキラ。



「黒尾ナイスブロック!!」

「ふんっ!!」

「海!!ナイッサー!!」

「夜久さんナイスレシーブ!!」

「犬岡ドンマイ!!」

「ナイス福永!!」


みんな真剣。

そして、それを、みんなを活かすのが、


「……。」


研磨。



「潔子、お姉ちゃん……これが、バレーだね。」

「……そうだね。」


見れば見るほどに、惹かれる…惹かれてしまう。


ひとりひとりのプレーに。

気持ちに。


心に。


「デュース…烏野リード。」


研磨のツー、虎くんのスパイク。


「音駒、リード。」

「烏野…」

「音駒…」


………




結果は、


30対32


音駒高校の勝ち。



わかんない。


うまく言えない。


けど…すごい。


「潔子お姉ちゃん!もう1回!」

「新幹線の時間もあるから、もうおしまいだね。」

「そ、そんな…。もっと、見たかった……。」


ガクンと項垂れる私を、潔子お姉ちゃんがよしよしと頭を撫でる。


ここで気づいた。

私、ずっとおんぶされっぱなしだった。


「ごめんなさい!」

「気にしないで。私もあったかかったから。」

「そっか。」


何が、とは聞かなくてもわかるよ。



私も、同じだから。



「集合ーッ!!」という声に全員が集まる。

帰りの準備の始まりだ…。

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作者名:ドク | 作成日時:2022年8月24日 18時

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