僕たちの恋。_JW

そして / しげかみ ページ39

想いが通じあってから数年と数ヶ月して、社長に呼び出された。そのメンバーには神ちゃんはおらんかった。

けど、またなんかCMかな？とか舞台かな？とか軽く思っとった。けど、告げられたのは酷く胸に突き刺さる内容で一体何のことかわからへんかった。



確かに前々からデビューするとか話はでとったけど、もともと8人？とか新聞でもどーんってでとったから聞き間違いかな？って。でももっかい聞いても｢4人｣って言われるだけやった。

そのワードがどうしても頭から離れなかった。




大々的に発表してから数日後に、顔を合わせた俺たちはどこかいつもと違った。笑ってるんやけど、2人して気を遣いあっとるというか、ギスギスした状態。


年明け後のコンサートでも、グループで歌う曲は一切なくてグループでお揃いの衣装も個々でバラバラに着せられて。


唯一一緒に並んで歌ったのは1曲だけで、その時だけは素で笑顔になれた。みんな、そうやったと思う。



終演して着替えた後に神ちゃんに近寄ればさっさと1人で帰ろうとするから腕を引っ張って引き止める。すると、怪訝な顔で振り返る君。



｢…おつかれ｣


｢ん｣



無愛想な態度にイラッときて思わず近くにあったソファーに神ちゃんを押し倒して馬乗りになる。

いきなりすぎて神ちゃんは頭を打ったのか頭を押さえながら反抗するように俺を睨んできた。でもどこか、切なく見つめてきてるような気もした。


｢っ、なにすんねん！｣


｢なんでそんな表情するん？｣


｢は…？｣


｢俺やって…っ、神ちゃんとの夢…叶えたいんやで……っ｣


｢、っ｣




何か言いたそうなその唇に貧るようなキスをする。もしかしたらこれが、最後になるかもしれん、って思ったら止められなかった。

神ちゃんも最初は逃げてたけど、数分すればもう受け入れ体制。ああ、ほんまに神ちゃん俺のことすきなんやな、って。自意識過剰にも程がある？



｢…俺、絶対離れんから｣


｢…ん、絶対やで？｣



あの時交わした約束はただの口約束やったん？




なんで、俺のこと忘れたん？

神ちゃんと俺が過ごした日々はそんな簡単に消えるもの？



後悔ばかりが襲う。
このときはまだ自分が原因やったなんて知らなかった。



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つづきます

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