第1話 ページ2
俺、桃里さとみの隣の席、柏木廉は喋らない。
いや、喋るんだけど、ただ単に無視をしているだけ。
俺はそいつが気になって仕方ない。
ピアス開けてたり、茶髪に染めてたりして少し怖い。
いや、校則的には全然大丈夫なんだけど。
その、近づくなオーラがそれで一層強まる。
こ「さとみく〜ん?」
「あ、ごめん。」
俺の前に座るのは友達のころん。
目の前で手紙をヒラヒラさせている。
俺はその手紙を受け取り、見てみると面談の手紙だった。
なんで、まだ2年なのに進路の話しをしなければいけないのだろう。
キーンコーンカーンコーン
6時間目終了のチャイムが鳴る。
と、同時に柏木さんが席を立った。
柏木さんは、授業終了のチャイムと同時に帰ってしまう。
「あ・・・」
柏木さんの机の上には、面談のプリントが置いてあった。
忘れたのか。まだ、帰ってないよな?
俺は、自分のカバンとプリントを持って教室を出た。
こ「さとみ君!?」
「ごめん、先生には何とか誤魔化しておいて!」
こ「ちょ、ちょっと!」
俺は、申し訳ないけどころんの声を無視して、柏木さんを追いかけた。
昇降口を出たところで、柏木さんの後ろ姿があった。
「柏木さん!」
「・・・」
声を掛けても、返答はない。いつものことだ。
俺は息を整えながら言った。
「これ、忘れてる。」
俺は、柏木さんに手紙を差し出した。
「・・・いらない。」
「・・・」
俺は、初めて柏木さんの声を聞いた。
少し、低めだが綺麗な声だった。
「何か用?急いでんだけど。」
「あ、いや、でもこれ面談用紙だから・・・」
「いらない。先生にあまりって言っといて。」
「そ、そっか・・・」
こんなに会話したのは初めてだ。
この学校でも、こんなに話したのは俺ぐらいだろう。
「桃里だっけ?ありがと。」
「っ!?」
柏木さんがほほ笑んだ。
それと同時に、俺の心臓がドクンっと鳴った。
「それじゃ。」
柏木さんは長い髪をなびかせ歩いて行った。
こ「あ、さとみ君いた!」
5月中旬。俺は柏木さんに初めての恋をしたのかもしれない。
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瑞樹チロル(プロフ) - らくがきさん» はい、そうで(( (2019年8月28日 9時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - 缶詰めさん» はい、最近ツッコミ系とかにハマっておりますww (2019年8月28日 9時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
らくがき(プロフ) - カイt((はい。 (2019年8月27日 12時) (レス) id: 16b2ae41c1 (このIDを非表示/違反報告)
缶詰め - 面白かったです!カイトさん好きなんですか?続編も今から読みます! (2019年8月27日 11時) (レス) id: d815cb3f60 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - てってーてれってーさん» ありがとうございます!何かその方が夢主ちゃんっぽいのでww頑張ります! (2019年7月30日 9時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞樹チロル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oomizufami1/)
作成日時:2019年7月27日 19時