第5話〜ちょっと過去編〜 ページ6
彼、桃里さとみ君との出会いは、高3の時。
当時すでにいじめられていた私は、運悪く桃里君の隣の席になってしまった。
ひどかった虐めがさらにエスカレート。家にまで手を出してきた。
また苛められていたある日、桃里君が助けてくれたのだ。
正直、馬鹿だと思った。私を助けたら、大変なことになる。
さ「大丈夫?立てる?」
家族以外信じられなかった私は、恩人にもひどい対応をしたと思う。
「馬鹿じゃないの?」
私はそう言い捨て、歩き去った。
次の日、私は本当に彼を馬鹿だと思った。こんな私に話しかけるのだ。
不思議なことに、彼は嫌われなかったし、私へのいじめはピタリとやんだ。
「何で?」
ある日、私は問いかけた。
さ「ん?」
「何で、私に構うの?」
本当に分からなかった。彼の意図が読めなかった。
さ「それは、俺が俺でいるため。」
「は?」
さ「それに、俺は瀬那さんの目。綺麗で好きだよ?」
「っ!?」
初めて言われたかもしれない。この人はどこまで優しいのだろうか。
そんな日常もちょっとのことで崩れる。
私を苛めていた主犯が桃里君に告白をしたのだ。
しかし、桃里君は断ったらしい。
それから、私のいじめは再開した。本当にこの世の中は理不尽だと思う。
2学期の終業式。雪が降っていた日に、私は3階のベランダから飛び降りようとした。
さ「何やってんの!?」
落ちかけの私を掴んだのは桃里君。
「離して。もう、私に構うな。」
さ「嫌だ。」
苦しそうな顔で私も力いっぱい引っ張っている。
「もう、嫌なの。」
さ「え?」
「生きるのが、もう嫌なの。」
今度は悲しそうな顔をした。
さ「俺じゃ、頼りないか?」
不安げな顔をして聞いてきた。
「違う、桃里君は悪くない。だから、さようなら。」
私は、自ら桃里君の手を離し落ちた。
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にゃんこ - 最後まで読みたかったです、とても残念です。 (2020年6月14日 17時) (レス) id: d0d3488705 (このIDを非表示/違反報告)
田中くん - あの、、めちゃめちゃ好きです!別な作品でもお邪魔させて頂いたのですが、、久しぶりに読んだらあああああってなってチロル様じゃん!ってなりました!さとみくん推しでしたよね。さとみくん落ち好きなのでじゃんじゃん素敵な作品お願いします!長文失礼しました (2019年9月22日 19時) (レス) id: a8e2d2bd4e (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - マイさん» あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(訳、ありがとうございます!嬉しいです。嬉し過ぎて語彙力と脳みそが溶けました) (2019年8月19日 8時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
マイ - あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(訳、好きです。語彙力と脳みそが溶けてなくなりました) (2019年8月19日 0時) (レス) id: eba5ae128f (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹チロル(プロフ) - ぷりん丸さん» 感動していただいたみたいで嬉しいです。拙い文章ですが、宜しくお願いします。 (2019年8月5日 8時) (レス) id: 0e9f5e74c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑞樹チロル | 作成日時:2019年7月15日 16時