さとみ君の好きな人 パート３

第８１話 ページ1

今日、私は皆にライブに出たいと話す日だ。

　 皆リレー後だというのに来てくれる。

　 ピンポーン

　「はーい。」

　 一番最初に来たのはやはりさとみだった。

さ「ねぇ、大事な話って何？」

　「・・・悪い話か悪い話じゃないかは、人それぞれかな？」

さ「・・・そうか。」

　 続いて、莉犬君、るぅと君、なー君、ジェル、ころんの順番で来た。

　「皆、来たか・・・」

　 久しぶりに皆で集まったな。少し険しい顔をしている。

る「大事な話ってなんですか？」

り「何か不安なんだけど・・・」

こ「変なことじゃないよね。」

　 多分、ころんの言う変な話しは辞めるとかなんだろうな。

ジ「違うよね・・・」

な「・・・」

　「私はね、ずっと逃げてた。傷つくのが怖いからライブにも出なかったし、

　 オリジナル曲も歌わなかった。私は弱虫なんだよ。」

　 皆、黙って私の話しを聞いている。

　「でも、皆は前向いて歩いてる。私だけなんだよ、後ろ向いてるのは。

　 私は最低だ。卑怯で臆病だ。だって、一人で逃げてるんだもん。

　 私ね、一回だけ考えたことがある。私がいなくても、すとぷりは成立する。」

全「！？」

　「だって、グループに入ってるのにライブもオリジナル曲も参加しない。

　 皆だけで歌った歌の方が輝くんじゃないかって。」

な「聖？話が・・・」

　「まぁ、これから。でも、皆は私を見捨てなかった。私をメンバーとして受け止めた。

　 その時、思ったの。逃げてばっかじゃだめだって。私ね、もう逃げない。」

　 逃げたら負け。これが私が決めた私のルール。

　「だからっていうのはおかしいかもしれないけど・・・

　 今度のライブ出させてほしいの。」

全「・・・」

　「一人でも嫌な人がいれば、私は出ない。もちろん、その人のせいにするつもりはないよ？

　 人それぞれなんだし。」

全「・・・」

　 しばらく、沈黙が続いた。

　 何秒かしたあと、皆が目を合わせて頷いた。

な「聖・・・」

　「え・・・」

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