性別不明の歌い手は男性恐怖症でした。【さとみ君】

第１６話 ページ21

「そう言えば、見せたいものあるんだよね？」

　「あ、こっちです・・・」

　 案内されたのは防音室らしき部屋。
　
　 そこには、ドラム、ギター、ピアノ、様々な楽器と

　 録音機材や大きなパソコン、キーボードがあった。

　「すごい揃ってるね。」

　「やるなら徹底的にやりたいなと思いまして・・・

　 これです・・・」

　 見せてもらったのは、液タブと言われるもの。

　 そっか、イラストも描けるんだよね。

　「これって・・・」

　「もしよろしければ、このイラストを起用したいんですけど・・・」

　 画面に映るのは、ＤＡＹＢＲＥＡＫ ＦＲＯＮＴＬＩＮＥをイメージしたであろう

　 綺麗なイラストであった。

　「ミックスも一緒にしたので、時間がなかったし、少し雑になってしまったんですが・・・」

　 鏡花から見ると、こんな綺麗なイラストが少し雑に見えるらしい。

　 これのどこが雑なのだろうか、と疑いたくなるくらいだ。

　「も、もしかして、駄目ですか？」

　「ううん、全然ダメじゃない。むしろ、ありがたいくらい。

　 すごい綺麗だよ。」

　「ありがとうございます・・・」

　 照れているのか、俺から視線を逸らした。

　「本当にすごいや・・・」

　「あ、あの、さとみさんって、ゲームが得意なんですよね？」

　「え、まぁ、うん。そうだけど・・・」

　「私にゲームを教えてくれませんか！」

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