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涙が落ちた瞬間、奇跡が起きて。
ピク、と少しだけ、
ほんの少しだけ大野さんの指が
動いた気がして。
『お、大野さん……！』
何度も何度も、その名前を呼んだ。
ピクっと動いたまぶたが
おもたそうに開いて。
ずっと眠ったままだった大野さんが
やっと、やっと目を覚ました。
『しょお……くん……あの……子………』
『ま、守れ……たかな……？』
まだ途切れ途切れでも話せるようになった。
『智くん…ちゃんと、守れたよ……！』
そういう翔さんの目からは涙がこぼれた。
奇跡は起こるんだって。
そう思った。
その日の奇跡、は。
それだけじゃなかった。
嬉しいニュースは音を立てて
やってきた───。
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作者名：さとか | 作成日時：2017年12月29日 23時
