無彩色【O.N】 (ページ26)

今日:27 hit、昨日:0 hit、合計:69,730 hit

-26- ページ26

それから智くんにあったのは

色んなことが落ち着いてから。

結婚式のことも含めて

色々やらなきゃいけない事が山積みで

手伝おうとしたけど

『最後ぐらい…全部自分でやりたいから』

そう言って何もさせてくれなかった。

それからの1ヶ月は仕事をしてる時とは

比べ物にならないくらい忙しくて

肉体的に、と言うよりも

精神的に。

1ヶ月ぶりに智くんの家に行ったら

この小さな背中には

どれだけの重たいものが

乗っているんだろう、

そう思うほど部屋は荒れてしまっていた。

『二人で暮らすために』

そう言って作った家は出来上がって住み始めてもうすぐ1年ってぐらいの新しい一軒家。

お互いの部屋と智くんの仕事部屋。

いつか生まれてくる子供のための部屋も。

二人の将来の夢が詰まった家は、

いつ来ても一輪挿しだったり観葉植物だったり色んな花が置いてあった。

隅々まで掃除された部屋は綺麗で

幸せが溢れていた。

だけど今は────