今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:69,706 hit
小｜中｜大
-22- ページ22
いつもは暖かい大野さんの手は
少しだけひんやりしていて。
ピッピッ……と。
規則正しく部屋に響く音だけが
大野さんが生きてる事を証明してる。
悲しさで溢れた部屋に響く音は
無機質で悲しい音がする。
『ねぇ、智くん……？もういいでしょ……？』
『一人で背負うのやめようよ……』
『辛いの分けよう……？』
何を話しかけたって返事がないことは分かっているのにどうしても話しかけてしまう。
────三年前まで、彼女がいたの。
奥さん、かな。
籍も入れてたんだけど……
結婚式は挙げれなかったの。
もうすぐ結婚式っていう時だったんだけどね
俯いて目を伏せるとキラッと光る粒が
目からこぼれていった────
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さとか | 作成日時：2017年12月29日 23時
