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翔くんの座ってる所の前にあるのは処置室。
赤いランプが不気味に照らしている。
肩を震わせて涙を流す翔くんの服も手も、
赤いシミができていた。
そのシミが血であると理解するのには
そんなに時間がいらなかった。
この状況でここにいない大野さんが
どこにいるのかなんて。
聞く方が酷だと思うけど聞かずに認めるのも
嫌で隣に座ってから小さく口を開いてみる。
『お…おのさん……は……？』
自分でもびっくりするぐらい震えてる声。
翔くんの少しあげた顔は涙の跡があって
水分を多く含んだ瞳は揺れている。
『智くんは……』
それだけ言って言葉が続かないのは……。
きっとその続きが悲しみで溢れているから。
受け止めきれない悲しみで溢れているから。
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作者名：さとか | 作成日時：2017年12月29日 23時
