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阿「…元気？」
桃「元気だよ？てか、よく会うじゃん」
阿「そうだけど、なんか、今日のA違うから」
桃「いつもどおりだよ」
阿「…樹にも言えない事なら、俺にはもっと言えないか。
本当に何でもっとちゃんと話しなかったんだろ。
あの頃の自分が本当にムカつく 苦笑」
桃「え…？」
阿「ちゃんとAの話聞いて、向き合ってたら…
まだ隣に居られたのかなって。
……俺、今でもAの事諦められてない」
桃「…亮平……」
亮平はそう言って泣きそうな顔で笑う。
私にむかって伸びようとする右手が、
ぴくっと動き、また元の位置に戻っていった。
これ以上、ここにいるのがつらくて。
ごめん、と呟いて私は足早にその場を去った。
後ろから亮平の声が聞こえた気がするけど、
振り向かずに廊下を進んでいく。
廊下を曲がりきった先で、壁に背を預け
ずるずると力が抜けたように座り込む。
高「A」
桃「こーち…」
高「ごめん、見ちゃった」
こーちはそう言って、私の隣に立った。
ポイっと放り投げられた紅茶の缶をなんとか受け取り、
かしゅかしゅ音をさせて、3度目位でようやく開ける私。
こーちは満足そうに眺めて、自分の分のコーヒーを飲んだ。
桃「びっくり…した…」
高「ん、阿部ちゃん？
…まぁ、でもそんな気はしてたよ。」
桃「…そうなの？」
高「だって、いっつもAの事目で追ってたもん 苦笑
ふっかさんも気付いてるでしょ、あれ」
桃「…I have so much to do at work today.
and...I got a boyfriend.
So i can't meet.」
高「え、何！？」
私はあえて声に出しながら、メールの返信をする。
こーちはハテナを浮かべながら、
私の動作を見守っていた。
桃「…私ね、今まで付き合った人ふたりいるの。
ひとりはね、アメリカに居た時のダンス仲間。
日本にくるから会えないか？って、それが今日で」
高「おぉ…急に衝撃の事実ぶっこまれた 笑」
桃「真面目に聞いてよ！笑
…会おうか迷ってたのは事実だけど、
再会してどうとかじゃなくてね？」
高「うん」
桃「……ふたりともね、今でも好きだよ。大事な人。
でもね、それはLikeであってLoveではないの。
うぬぼれてるかもしれないけど、
私、きちんと伝えるべきだなとは思う。
だけど、なんか亮平のあの顔みたら…」
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作者名：ももじゅり | 作成日時：2020年10月17日 2時
