You're my only one! Ⅲ (ページ5)

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■こくはくページ5

梅雨も間近になった6月のある日。

どんよりと分厚い雲が空を覆うように、
私の心も曇り空。
今日、何度目かわからないため息を吐く。

目下、私を悩ます事。

原因となっているスマホの画面をもう一度見る。

willHi!Long time no see!
I’m planning to go to Japan in June.
I want to see your face.
momoWhat!?
Give me a sec.
I’ll LINE you.

盛大なため息がひとつ。

メンバーには言えていない私の秘密。
元カレがアメリカから来日する事…そして。

桃「わっ！ごめんなさい！」

阿「っと、すみません！…あれ、A？」

桃「りょ…阿部ちゃん」

阿「亮平でいいのに…」

もやもやと考え事をしていたからか、
曲がり角で盛大にぶつかってしまい頭を下げる。

聞こえてきた声は忘れたくても忘れられない、
切なそうに微笑んで私を見つめる人は、
Snow Manの阿部亮平。

…もうひとりの、私の元カレ。

私たちが付き合っていたことを知ってるのは
メンバーでもごくわずか。

ふっかとこーちだけ。

あの時は自分の事に精一杯で、
亮平の事をきちんと考える事が出来なかった。

お互い幼くて、喧嘩も出来なくて、
嫌いにもなれない中途半端なさようなら。
別れた当初は、毎晩こーちに電話してた。

もう二度と事務所の人とは付き合わない。

そう思ってたはずだったのにな、なんて自嘲する。