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「そういえば、樹とは順調？」
「へ！？あ、あ、はい！」
「なんでそんな挙動不審なのよ 笑」
一人気付いてしまった事実を消化しきれず、
葵ちゃんの問いかけに焦ってしまう。
もう私の瞳は葵ちゃんの胸元に釘付けだ。
でも、葵ちゃんはそんな私に気付かずに
尚も会話を続ける。
「樹とAはもうSixTONES結成前に公言してる分、
やっぱり楽な部分もあったりするの？」
「えっと…そうですね、最初は半数以上が
やっぱり批判というか受け入れがたいって声
だったんですけど…」
「うん」
「最近は何故か…
私に愛されるよう樹を応援するっていう
わけのわからない声が多くなってきて…」
「ぶはっ！」
あのスーパーアイドル嵐の桜川葵が
コーヒーを吹き出して笑うレアな絵が見れたけど、
色々と腑に落ちなくて頬を膨らます。
「笑い事じゃないんですよ！
愛…してないわけないじゃないですか…
でも、仕事の時はそういうの出すべきじゃないと
思ってるんです、私」
「でも、SixTONESっていうかももじゅり担は
樹とAのそーいうとこみたいんでしょ？」
「そうみたいですね…
いや、最初からしたらすごく有難い状況
ではあると思ってるんですけど」
「…求められてることに応えるのもアイドルだし、
プライベートは隠すこともアイドルの姿だよね」
葵ちゃんはそう言って街を歩く人達に視線を向けた。
無意識に胸元のチェーンにかかる指輪に触れる。
憂いを帯びた横顔が吃驚するほど綺麗で、
大げさじゃなく一枚の絵画のようだった。
きっと、その視線の先は街ゆく人なんかじゃない。
「…葵ちゃんと中丸くんなら大丈夫だと思いますよ？」
「えっ！？あ、な、なんで！？」
「私より挙動不審じゃないですか！笑
いや、葵ちゃんの胸元にある指輪と同じの、
お兄…中丸くんがしてたので」
「あのバカ…！
仕事の時は外しときなさいよね…」
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作者名：ももじゅり | 作成日時：2020年9月30日 23時
