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初めてじゃなかった。
去年付き合っていた好きでもなんでもない先輩と、
一線を越えるまでにさして時間はかからなかった。
拒むほど嫌じゃない。
だけど、触れたいとも思わない。
いわば「無」の感情と、与えられる安っぽい
愛の言葉に流されるままに、私の初めては終わった。
あれは恋に分類されるものではなかったということを、
好きな人を目の前にした今、再認識する。
「永瀬」
『ん？』
「すき」
『ふは、聞いた。急に素直になんねや？』
すごく優しい顔で笑うから、永瀬もひょっとしたら
同じ気持ちでいてくれてるんじゃないかと、勘違いしたくなってしまう。
それがいかにして自分自身の首を絞めるかなんて、分かり切っているのに。
この顔を知っているのは、私だけであってほしい。他の誰のものにもならないでほしい。
いつしか私の醜い独占欲は、こんなにも肥大化していたのだと知る。
ねぇ、好きだよ。
ほだされてここに行き着いたんじゃない。
私は私の確固とした意思を持って、永瀬と対峙してるんだよ。
それだけは、どうか届いていて。
『口開けて』
『もっと』
片手は私の顔の横について、もう一方は指と指を絡めるように私の手を握ったまま、重ねた唇の隙間から、熱っぽい舌を滑り込ませてくる。
『……ん』
「っはぁ、……ん」
永瀬の舌が口内で生き物のように蠢く度に、
背筋がゾクゾクと疼いて、体全体に毒が回るようだった。
顔が離れた後、永瀬は何故か、
ふっと吐息を漏らすように笑った。
うわ、なんだろう……失敗した……？
吹き出すほど不細工な顔をしていたのかもしれない。
顔中に熱が集中するのを感じていたら、
『手、小さない？』
永瀬は口角を上げたまま、視線を手の方に移動させた。
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Fujisaku888(プロフ) - やっば！やばやばです！もう最高でした！続き、楽しみに待ってます！！！！！ (2019年8月12日 21時) (
レス) id: d78f9adad7 (このIDを非表示/違反報告)
reeein(プロフ) - もう、天才だと思います。テスト期間の唯一の癒しです、続き待ってます！！ (2019年7月23日 1時) (レス) id: d8f0974525 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - やっぱり、いいですねえ〜( ´ ▽ ` ) (2019年7月21日 16時) (レス) id: 383a94bb9b (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - みさとさん» 嬉しい〜〜です〜〜！！！まだしばらく続く予定ですので引き続きお願いしますね〜〜！o(^-^)o (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
禊(プロフ) - reeeinさん» ワ〜〜！コメントありがとうございます（ ; _ ; ）なんとかかっこいいキャラのまま走れるよう頑張ります〜〜！(？) (2019年7月21日 9時) (レス) id: 877a6ff071 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：禊 | 作成日時：2019年6月17日 23時
